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富士川流域の底生生物調査、「自然が壊れた原因」は?

 駿河湾におけるサクラエビ不漁の一因として、富士川支流の雨畑川で日本軽金属が管理している雨畑ダムが問題視されています。
 雨畑川とその下流の早川、富士川の底生生物調査について、静岡新聞が報道しています。

 記事では、「雨畑川下流と合流地点から下流の早川では細かい粒子が川底の石と石の隙間を埋めている。堆砂が著しい雨畑ダムから流出している可能性があるという」と書かれています。
 ダムが下流に与える影響の一つとして、ダムに大きい土粒子が堆積し、ダム下流にはシルト質、粘土質の細かい土粒子が流下するため、ダム下流の河床が泥質化していく問題があります。雨畑ダムによって雨畑川下流とその下流の早川でそのような現象が進んでいるように思われます。

◆2020年4月27日 静岡新聞
https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/760897.html
ー雨畑川「乏しい」川虫 富士川流域の底生生物調査ー

 富士川水系環境復元ネットワーク(富士川ネット)からの依頼を受け、地域自然財産研究所は2月から富士川や支流の早川など計29カ所で釣り人らが「川虫」と呼ぶ、底生生物(水生昆虫類)の生息調査を開始している。研究所の篠田授樹さん(54)は早川の支流・雨畑川下流と、合流地点から下流の早川について「乏しい印象だ」と述べた。

 篠田さんは26日までに29地点のうち26地点の調査を終えた。今月中に全地点の調査を終え、1994年の前回調査時データと比較する作業を行う予定だ。底生生物は渓流釣り客が餌として使う。河川環境を知る指標となることもある。雨畑川と同じ4月中旬に実施した、富士川下流の調査ではヒラタカゲロウの幼虫(体長1センチ弱)など複数の底生生物が見つかっている。

 富士川ネットの関係者は、コンクリくずの不法投棄と大量流出が明らかになった雨畑川での底生生物の現状を受け、26日に「行政は自然が壊れた原因を調べるべき」とした。

 雨畑川下流と合流地点から下流の早川では細かい粒子が川底の石と石の隙間を埋めている。堆砂が著しい雨畑ダムから流出している可能性があるという。

 底生生物はこうした隙間に生息する。すみかを奪われたうえ、石の表面に生える藻を食べられず餓死した可能性がある。濁り成分は体を物理的に傷付ける悪影響も及ぼす。

 長年、山梨県内の河川で底生生物の調査を行ってきた篠田さんによると、早川は自然の濁りが出やすい。ただ「もともと出やすい川なら、なおさら人の手を入れるときには慎重になるべき」と訴える。