さる6月26日に国土交通省は社会資本整備審議会河川分科会「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会」(第5回)~気候変動を踏まえた「流域治水」対策のあり方について~のWEB会議を開催しました。
★国土交通省ホームページより、報道発表資料
https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_001026.html
滋賀県の流域治水推進条例を意識して、「流域治水への転換」を謳っていることは結構なことですが、配布資料を見ると、今一つ具体的ではないように思います。
配布資料、資料4より
小委員会は7月9日、今後の水害対策についての答申を赤羽一嘉国土交通大臣に提出しました。
関連記事を転載します。
◆2020年6月29日 建設通信新聞
https://www.kensetsunews.com/archives/466744
ー流域治水へ転換/国交省社整審河川小委が提案/水災害対策に方向性ー
国土交通省は26日、社会資本整備審議会河川分科会の「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会」(委員長=小池俊雄土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長)の第5回会合を開き、これまでの議論をまとめた答申の案を提示した。気候変動による外力の変化を反映させた治水計画などへの見直しと、流域全体のあらゆる関係者が協働して治水に取り組む「流域治水への転換」を水災害対策の新たな方向性に示している。答申は今夏にまとめる。
答申の案は、気候変動によって増大する外力の基準について、気温2度上昇相当のシナリオにおける平均的な外力の値を基本に、変化を予測した上で治水計画、下水道計画、海岸保全計画、砂防計画に反映させるべきとしている。
流域治水は、「ハザード」「暴露」「脆弱(ぜいじゃく)性」への対応を組み合わせた総合的・多層的な対策を流域全員が協働して実行するよう提言。施策の方向性として、ハザードへの対応で流水貯留機能の拡大、流域の雨水貯留機能向上、氾濫量の抑制、暴露への対応で水災害ハザードエリアにおける土地利用・住まい方の工夫、脆弱性への対応で土地の水災害リスク情報の充実などを挙げた。
事前防災対策の加速化も重要と指摘。流域治水の考え方を先行的に取り入れ、阿武隈川など7水系で実施している緊急治水対策プロジェクトと同様の取り組みを他の水系でも展開し、国、地方自治体、企業、地域住民などが連携してハード・ソフト一体となった対策を講じるよう求めた。
速やかに実施すべき施策には、▽将来の気候変動を踏まえた計画・設計基準の見直し▽事前防災対策の加速▽さらなる堤防強化▽下水道施設耐水化の推進▽企業などさまざまな関係者の参画▽土地のリスク情報の充実▽まちづくり、住まい方の工夫▽避難体制の強化▽TEC-FORCE((緊急災害対策派遣隊)の強化▽被災自治体の災害応急対策への支援▽観測の充実や新たな開発--を挙げた。