八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ツ場ダム周辺観光 上々の船出 自転車型トロッコと水陸両用バス

 7月18日に始まった水陸両用バスと自転車型トロッコについての記事が地元紙に取り上げられ、Yahoo!ニュースでも紹介されました。

 ダム湖の水陸両用バスは八ッ場ダムのある長野原町の管理、JR吾妻線の線路跡を利用した自転車型トロッコはダム下流の東吾妻町の管理です。いずれも八ッ場ダムの地元自治体として、利根川流域都県が拠出するダム関連事業で運用に至りました。今後の維持管理費は両町が担いますので、集客が課題となっています。

*問い合わせ先
〇水陸両用バス 長野原町公式ページ https://naganohara.com/news/amphibious-bus/
〇東吾妻町 自転車型トロッコ ホームページ https://agattan.com/

 水陸両用バスは以前から何度も新聞で報道され、運用開始前の18日には、NHKのバラエティ番組「突撃! カネオくん」が大きく取り上げたこともあり、初日はともにほぼ満員であったとのことです。
 国土交通省が建設したダムを外局の観光庁がPRしているため、「ダム観光」は今やマスコミの人気のテーマです。「突撃! カネオくん」は「ダムのお金の秘密」というタイトルながら、八ッ場ダムの事業費や関連事業費には触れず、八ッ場ダムとセットの吾妻川の中和事業と品木ダムを取り上げながら、中和事業の費用、品木ダムが土砂と中和生成物でほぼ満杯となっていることには触れませんでした。わが国では、空気を読んで行動することが一般庶民に求められる風潮がありますが、空気はこうしたバラエティ番組によってもつくられます。

★参考ページ 
NHK 有吉のお金発見 突撃!カネオくん「ただいま人気急上昇中!?ダムのお金の秘密」(7月18日)
https://www4.nhk.or.jp/P4835/x/2020-07-18/21/17237/1755050/

 ふだん聞けないお金の秘密をカネオくんが可視化で解明!今回は、ダムのお金のヒミツを大調査!いまダムが観光地として大人気!特にファンの注目を浴びるのが、今年完成した八ッ場ダム!ナント今回、最新技術がいっぱいの内部にテレビ初潜入!「日本一の放流設備」「ダムの変形を感知!超高性能システム」とは!?さらに!ダムマニア・石原良純が厳選した「絶景ダム放流」もご紹介!うんちく師・伊集院の“ダムうんちく”もあるヨ
 

◆2020年7月19日 上毛新聞 紙面記事より転載
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc92b376920022ea401e7dd0ea985dcb6d278aac
ー八ツ場ダム周辺観光 上々の船出 自転車型トロッコと水陸両用バス 初日はともに満員ー

  新型コロナウイルスの影響で開業が遅れていた群馬県の八ツ場ダム(長野原町)周辺観光事業、水陸両用バス(同)と自転車型トロッコ(東吾妻町)の営業が18日、それぞれ始まった。水陸両用バスは県内初、自転車型トロッコで廃線を走れるのは関東で唯一という話題性があり注目度が高い。初日からともにほぼ満員となり、上々の滑りだしとなった。

◎8月1日からはキャンプとカヌー 「密」対策 万全に
 水陸両用バス「八ツ場にゃがてん号」は長野原町がダム湖「八ツ場あがつま湖」周辺で運航。乗降場所の道の駅八ツ場ふるさと館にバスが見えると、事前予約ができないため、当日券(大人3500円)を買い求める観光客が途切れなかった。

 バスは約80分のコースで川原湯地区からの入水時に、勢いよく水しぶきを上げる「スプラッシュ」があり、乗客は歓声を上げていた。家族ら6人で訪れた高崎矢中中3年の秋山雄一さん(14)は「水に入る時は迫力があった。ダムの解説が勉強になりダムも近くで見られた」と満足げだった。

 東吾妻町営トロッコ「吾妻峡レールバイクアガッタン」は、ダム建設に伴い線路が付け替えられた旧JR吾妻線でペダルを踏んで走らせる。この日は渓谷コース(片道1.6キロ、1台2000円)を開業。利用者は国名勝の吾妻峡を眺め、鉄道トンネルとして日本一短かった樽沢トンネル(7.2メートル)を通過して楽しんだ。

 家族4人で訪れた安中原市小4年の志田大河君(10)は「足でこぐのが楽しかった。景色が良くて気持ち良かった」と笑顔。町によると、土日祝日のみ営業する9月6日までは事前予約で満員の日もある。同日以降、平日や短距離コースも含めたグランドオープンを予定する。

 ともに八ツ場観光の目玉だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のためフル稼働にはなっていない。トロッコは1回当たり7台運行する計画を4台に、バスは定員40人を30人程度に絞って「密」を避ける対策を取っている。

 八ツ場観光を巡っては7日からダム本体上を自由に歩けるようになった。川原湯のキャンプ場やカヌー体験は8月1日以降に一般客が利用できるようになる。