球磨川流域の球磨村は、球磨川が人吉盆地を流れ下った後、急に川幅を狭める地点にあります。集落は球磨川と背後の急峻な山に挟まれたところに点在し、7月4日の球磨川水害では県内最多の犠牲者を出したということです。
国土交通省の試算によれば、7月の水害時、川辺川ダムが建設されていたなら、人吉地点における球磨川の流量は、4割減らせたということですが、球磨村での犠牲者の中には土砂災害が原因のケースもあり、川辺川ダムが建設されれば安心ということではありません。
◆2020年10月2日 熊本日日新聞
https://this.kiji.is/684535607256368225?c=92619697908483575
ー議論再燃の川辺川ダム建設「必要」 球磨村の松谷村長 熊本豪雨で県内最多の犠牲者25人ー
7月の豪雨で被災した熊本県内自治体で最多の25人の犠牲者が出た球磨村の松谷浩一村長は1日、建設の是非の議論が再燃した川辺川ダムについて「村民の命を守るのが私の最大の使命。建設は必要だ」と明言した。熊日のインタビューに答えた。松谷村長がダム建設の是非について態度を明確にしたのは初めて。
松谷村長は「ダムによらない治水を検討している間に、想定を上回る豪雨による災害が起きた。(国、県、流域12市町村でつくる球磨川豪雨検証委員会で)治水の検討にダムが加わるのは当然」と強調。さらに「建設は必要だ」と踏み込んだ。
蒲島郁夫知事が11月中をめどに県としての球磨川治水対策をまとめた後、「民意を問う」としていることについては、村として今後開く住民懇談会などでの意見を踏まえ、「村民を代表し、私が知事に意見を伝える」とした。
国が進めるソフト、ハード両面の治水策を総動員する「流域治水」については「ダムはすぐに完成しない。できる対策から進めてほしい」と期待を示した。(隅川俊彦、小山智史)