7月の熊本豪雨では、球磨川流域で50人もの犠牲者が出ました。
国土交通省は8月と10月に開催した球磨川水害の検証委員会において、球磨川支流の川辺川に計画されながら中止となっている川辺川ダムがあったなら、水害を大きく軽減できたとする検証結果を発表しました。これをきっかけに、国の巨大ダム計画が復活する動きが進んでいます。
半世紀以上前に計画が策定された川辺川ダムが11年前に止まったのは、災いだけでなく恵みをもたらす河川環境を守りたいという流域住民の民意を熊本県が受け止めたからでした。今回は、こうした反対の声をかわすために、ダム堤に穴があいている「流水型ダム(穴あきダム)」が提案されています。
ダム問題に取り組んできた大熊孝・新潟大学名誉教授(河川工学)が、このほど川辺川ダムが流水型ダムであったらどういう問題が生じる可能性があるかを解説した論考を公表しました。
★「川辺に流水型ダム(穴あき)はふさわしいか?
~巨大な 流水型ダムは 川の生態 環境を破壊する ~ (2020/10/13記 )
また、大熊孝さんは水害の発生直後に今回の水害について分析した論考を公表しており、日本自然保護協会のホームページに全文が掲載されています。
★「2020・7・4 球磨川水害覚書 -川辺川ダムがあったとして水害を防げたか?-」2020.07.20(2020.07.30 更新)
https://www.nacsj.or.jp/2020/07/21000/