昨年7月の水害の原因を追究した『7.4球磨川豪雨災害はなぜ起こったのか―ダムにこだわる国・県の無作為が住民の命を奪った』が出版されました。「川辺川を守る県民の会」と「くまもと地域自治体研究所」による共同編集です。
球磨川流域では河川環境に致命的なダメージを与えるダム建設への反発が強く、2008年、住民の反対運動によって最大支流の川辺川における国の巨大ダム建設が頓挫しました。しかし、昨年7月の球磨川水害を機に、国交省は川辺川ダムがあったなら水害を大幅に軽減できたと主張し、川辺川のダム計画を復活させました。
これに対して、流域の住民団体やダムに頼らない治水を訴える専門家は、犠牲者の死因の調査など具体的な現地の状況を踏まえた反論をしてきました。新刊本はこれらの意見をまとめたものです。
本の紹介を出版社(花伝社)サイトから転載します。
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「7.4球磨川豪雨災害はなぜ起こったのか
ダムにこだわる国・県の無作為が住民の命を奪った」
「7.4球磨川豪雨災害はなぜ起こったのか」編集委員会
定価:本体1,320円(税込)
発行:2021年6月10日
B5判ブックレット 口絵8頁+本文112頁
●内容紹介●
まやかしの「流域治水」にだまされるな!
気候変動の時代、しなやかな川とのつきあい方を求めて
●目次●
1 図解 川辺川ダムはいらない──「かさ上げ」で確実な安全安心を
2 二〇二〇年七月人吉豪雨で何が起こったか
3 七月四日球磨川水害検証
4 球磨川水害を山から考える
5 山の荒廃と山間河川の危機
6 瀬戸石ダムが被害を拡大した
7 流水型川辺川ダムでは命も清流も守れない
8 国土交通省(水管理・国土保全局)の気候に関わる問題意識とその対応方策の変遷