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西日本豪雨被災 倉敷市真備水害訴訟 被災住民ら追加提訴 

 2018年7月の西日本号の被災者らによる岡山県倉敷市真備の水害訴訟は、3年の時効を前に追加提訴があり、原告が増えました。
 西日本豪雨では、岡山県を流れる高梁川支流の小田川が大氾濫し、50名を超える方が亡くなりました。被災した倉敷市真備町地区の住民らが国などに損害賠償を求める水害訴訟は、被災者らの二つのグループがそれぞれ提訴しています。すでに岡山地裁で審理が行われている水害訴訟では、新たに3世帯3人が追加提訴(第四次提訴)し、原告は計27世帯49人となりました。6月に同様の訴訟を起こした別の住民グループも7世帯16人が追加提訴し、こちらは約90世帯約230人となったとのことです。

 小田川大氾濫の最も大きな要因は、小田川を高梁川の下流側に付け替える計画がありながら、国土交通省がそれを半世紀近く放置してきたことにあると指摘されており、提訴した住民らもこれを問題視しています。

◆2021年7月8日 毎日新聞岡山版
https://mainichi.jp/articles/20210708/ddl/k33/040/386000c
ー西日本豪雨 真備水害訴訟 3人提訴、原告49人に 請求総額10億2000万円ー

 2018年7月の西日本豪雨で甚大な被害が出たのは河川やダムの管理を怠ったためだとして、倉敷市真備町地区の被災住民が国などを相手取り、損害賠償を求めている訴訟で、新たに住民3人が7日、約1億4500万円の支払いを求めて岡山地裁に提訴した。豪雨災害から3年がたち、提訴の期限は7日までとされていた。20年4、7月、21年3月の提訴と合わせ、原告は49人、賠償請求額は計約10億2000万円となった。

 訴状によると、住民側は国に対し、河川工事の必要性を認識しながら実施していなかったなどとしている。弁護団長の金馬健二弁護士は記者会見で、「(提訴期限は)『損害を知った時から3年』なので、今後のやり方次第で救済は全く不可能ではない。参加したい人がいれば相談に乗りたい」と述べた。

 豪雨災害を巡っては、同地区の別の住民グループ「り災者の会」も6月に215人、今月5日に16人が国などを相手取り、総額約6億9600万円の支払いを求める損害賠償請求訴訟を同地裁に起こしている。【岩本一希】

◆2021年7月5日 山陽新聞
https://www.sanyonews.jp/article/1148643
ー豪雨被災 真備住民ら追加提訴 国などに1億4510万円請求ー

 西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けたのは決壊した河川やダムの管理が不十分だったためとして、被災した倉敷市真備町地区の住民らが国などに損害賠償を求め、岡山地裁で係争中の集団訴訟で、新たに3世帯3人が5日、計約1億4510万円の賠償を求めて追加提訴した。第4次提訴となり、原告は計27世帯49人、賠償請求額は総額約10億1120万円となった。

 訴状では、同町地区を流れる小田川の治水工事を先延ばしした国の不作為や、上流にある新成羽川ダム(高梁市)の事前放流を適切に行わなかったとして国とダム管理者の中国電力(広島市)の過失を指摘。岡山県と倉敷市に対しても、堤防の切れ目を板でふさぐ「陸閘(りっこう)」の運用が不適切だったと主張している。

 西日本豪雨を巡り、6月に同様の訴訟を起こした別の住民グループもこの日、7世帯16人が追加提訴したと発表した。グループによると、原告は犠牲者遺族を含む計約90世帯約230人、賠償請求額は総額約6億9600万円となった。