八ッ場ダムが建設された吾妻川では、大正・昭和時代のはじめから水力発電で吾妻川の水が活用されてきました。八ッ場ダムに貯水するためには、これまで吾妻川の水を利用してきた(株)東京電力の水力発電所が取水量を減らさなければならないため、国は(株)東京電力に減電補償を行いました。
〈参考ページ〉「八ッ場ダムと発電」
これまで国は八ッ場ダム事業におけるこの減電補償について、民間会社と交渉中であることを理由に、具体的な内容を明らかにしてきませんでした。そのため、当会運営委員の嶋津暉之さんが八ッ場ダムの事業者である国土交通省関東地方整備局に以下の文書を情報公開請求しました。(2021年8月13日受理)
① 減電に関する各発電所の減電に関する費用負担に関する契約書
② 減電補償額の根拠を示す資料一式
さる10月12日、ようやく請求文書が開示されたのですが、具体的な部分はほとんどすべてが黒塗りでした。
不開示の理由は、減電補償を行った(株)東京電力の権利や利益を害する恐れがあるとのことですが、理由になっていません。
右の開示決定通知書に書かれている「不開示とした部分とその理由」を以下に転載します。(右画像クリック→拡大表示)
(下記の「甲」は東京電力ホールディングス株式会社を指す。)
費用負担に関する契約書のうち
①「契約金額」、②「契約締結日」、③甲の「印影」
減電補償額の根拠を示す資料一式のうち
①「協議額」、②「協議の予定期日」、③費用負担額に係る【別添1】から【別添5】
*情報公開法 第5条第2号イ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/public/johokokai/eturan/kijun/pdfs/Kijun5-2_0603.pdf
★開示文書:費用負担に関する契約書(1ページ)、減電補償額の根拠を示す資料一式(2~15ページ)
*クリック→全ページを表示
1ページ 「費用負担に関する契約書」(上の画像) ①「契約金額」、②「契約締結日」、③甲の「印影」が黒塗り
以下の画像は「費用負担に関する契約書」の一部(「契約の主旨」)
2ページ 減電補償額の根拠を示す資料 ①「協議額」、②「協議の予定期日」が黒塗り
5ページ 「(東京電力ホールディングスの)損害の状況と費用負担を行う理由」より
6ページ 「費用負担額の算定に用いる基準等」より「公共補償の適用」
11~15ページ 「減電補償額の根拠を示す資料」より別添1~5(黒塗り)