さる10月31日の総選挙では、自民党が単独過半数を獲得し、公明党も堅調で、野党勢力を突き放した格好でしたが、長崎県では様相が異なりました。
長崎1区は国民民主党の前職が当選、2区は自民党の前職が当選、3区と4区は自民党の前職が当選したものの、僅差で負けた立憲民主党の新人が比例復活と、与野党伯仲でした。
全国から注目されている石木ダムの建設予定地(東彼杵郡川棚町)は長崎3区にあり、水道用水の供給を名目として長崎県と共に石木ダム事業を推進する佐世保市は4区ですので、3区と4区の結果は石木ダム事業に対する民意を知る手掛かりとなります。
長崎県の石木ダム問題に取り組む佐世保市の市民団体が事前に候補者に行ったアンケートによれば、3区、4区の立憲民主党の候補者は、いずれも石木ダムに反対の意思表示をしており、対立軸が鮮明でした。
アンケート結果はこちらのページに掲載されています。
さらに選挙結果を町村別に詳しく見ていくと、石木ダムに直接関係のある地域では、立憲民主党の候補者の票が自民党候補者の票を上回っていたとのことです。
ダム予定地の”こうばる”に通い、地元の住民と川の写真を撮り続けているカメラマンの村山嘉昭さんが、選挙の翌日に発信されたツイートを紹介します。
長崎3区。自民・谷川弥一氏が立憲・山田勝彦氏を破って当選。票差は2,034票。石木ダムの見直しを求めている山田氏は比例復活当選。自治体別の投票数を見ると、谷川氏は五島列島や壱岐・対馬などで票を集めているが、佐世保市や大村市、川棚町や波佐見町などでは山田氏に支持が集まっている。 pic.twitter.com/Ug7gZRkBF6
— 村山嘉昭|Murayama Yoshiaki (@_murayama) November 1, 2021
自民党の谷川弥一氏は五島列島出身。過去には国会で質問時間を持て余し、審議とは全く関係のない般若心経を唱えたことが問題となった。谷川建設の創業者で、現在は息子の喜一氏が社長。岸田内閣で農水相となった元長崎県知事の金子原二郎氏は、喜一氏の義父。
— 村山嘉昭|Murayama Yoshiaki (@_murayama) November 1, 2021
昨年のつぶやき。 https://t.co/H9XYJFJFW5
— 村山嘉昭|Murayama Yoshiaki (@_murayama) November 1, 2021