八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

川原湯温泉の醸造所製造のビール、瓶詰め販売へ

 八ッ場ダム事業では水没地域の人々が多大の犠牲を強いられたことから、八ッ場ダム事業の一環として、水没五地区のそれぞれの代替地に地域振興施設がつくられました。これら施設の整備費用は八ッ場ダムの利水事業に参画した東京都、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県が負担しました。
 五地区の中で最も水没住民の多かった川原湯地区では、水没地から移転したJR川原湯温泉駅の並びに、地域振興施設「川原湯温泉あそびの基地NOA」がつくられました。川原湯温泉はかつては水没地域の経済活動の核であり、多くの地域住民の雇用の場であったため、ダム事業で整備された地域振興施設が新たな雇用を生み出すことが期待されましたが、残念ながら現状はそうなってはいません。施設内にできたキャンプ場やビール醸造所は東京の会社が運営しています。
 そのビール醸造所がこのほど、瓶入りビールの発売を開始したことを地元紙が伝えています。

◆2023年3月22日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/257573
ー八ツ場土産に地ビールを 瓶入り5種を群馬・川原湯温泉で販売ー

 群馬県長野原町の八ツ場あがつま湖畔にある醸造所「川原湯温泉醸造舎」が、クラフトビール(地ビール)の瓶詰め販売を始めた。これまで醸造所でしか飲めなかったが、手土産として広め、川原湯温泉のPRにつなげる。湖畔の観光施設「川原湯温泉あそびの基地NOA(ノア)」、川原湯温泉協会に加盟する旅館や飲食店の計8カ所で販売している。

 現在はビールサーバーから手動で瓶詰めしており、安定して生産ができるようになれば販売箇所を増やす考え。贈答用にオリジナルラベル作成の相談も受け付ける。同協会の樋田省三会長は「川原湯を訪れて味わって」とアピールしている。

 瓶詰めの地ビールは全5種。ホワイトエールの「臥龍岩(がりゅうがん)」、ゴールデンペールエールの「昇龍岩」、ゴールデンラガーの「金鶏山」、アンバーラガーの「金華山」のほか、春限定のブラックエール「鹿鳴の丘」がある。

 醸造所はノア内にあり、昨年春に稼働を始めた。川原湯温泉駅キャンプ場を運営するイノーバー・ジャパン(東京都)が施設の一部を借り、酒類製造免許を持つアウグスビール(同)が製造する。

 330ミリリットル入り。5月までの期間限定で770円。問い合わせはノア(☎090-6942-1223、月曜定休)へ。