河川や公共事業の問題に正面から取り組んできたジャーナリストのまさのあつこさんが「川から考える日本」と題してJBpress に掲載してきた連載の第五回目は、サクラエビの不漁に端を発した静岡新聞の調査報道です。
★地方紙が見せた調査報道の矜持、記者が語る静岡新聞「サクラエビ異変」の裏側
【川から考える日本】東京に搾取された富士川とサクラエビの関係
2023.6.25(日) まさの あつこ
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75746
第二次大戦中、富士川上流に(株)日本軽金属が建設した雨畑ダムは、戦闘機をつくる国策の一環としての発電ダムでした。80年余を経過した今、雨畑ダムは貯水容量をはるかに超える土砂がたまり、ダム上流に水害を引き起こしています。
日本軽金属の関連会社はダムに堆積する土砂から砕石を製造してきましたが、製造過程で出てくる濁水に凝集剤を混ぜて不法投棄し、富士川はアユが棲めない川になりました。
けれども、母なる富士川を死の川にしてしまった私企業による深刻な公害問題は、静岡新聞が本格的な調査報道を開始するまで見過ごされてきました。地方紙の調査報道は富士川流域の山梨県と静岡県、さらには国土交通省をも動かし、富士川は蘇りつつあるということです。
いつもながら、まさのさんの記事は複雑な状況をかみ砕いて、この問題をこれまで知らなかった読者にもわかり易く伝えています。是非お読みください。