八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

「流水型川辺川ダムは流域の暮らしと環境を守れるのか?」ー7/25,オンライン

 連続講座「川と森とともに生きる球磨川流域の未来」の第六回は、「流水型ダム」をテーマに行われるということです。
 「流水型ダム」は「穴あきダム」とも呼ばれ、ダム堤体の一番下の部分に放流ゲートが設置され、洪水の時のみゲートを閉ざして貯水します。「治水」単独目的のみ可能で、洪水時以外は川の水が流れます。最近建設されるダムでは流水型ダムが多くなってきています。
 2020年の熊本豪雨をきっかけに治水単独目的の計画として復活した川辺川ダムも流水型となります。しかし、流水型ダムの歴史は浅く、川辺川ダムのような巨大ダムで流水型が採用された先例はありません。川辺川は水質日本一とされ、本流の球磨川流域も含め、流域住民の暮らしは川と共にある地域です。2035年度完成予定の川辺川ダムは河川環境にどのような影響を与えるのか、流域住民は国のダム計画の行方に不安を募らせています。

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 球磨川流域と私たちの暮らしの在り方を考えるプロジェクト(気候危機と水害:ダムで暮らしは守れるか?連続セミナー実行委員会)

 2023年第6回】流水型ダムと環境について考える 2023.7.25
 https://kawabegawa.jp/savekawabe/seminar_all/2023seminar6/

 流水型川辺川ダムは流域の暮らしと環境を守れるのか?
 ー既存の流水型ダムからみえてくる流水型ダムの問題点ー

 この連続講座では、球磨川流域の治水のあり方を住民の暮らしから考えようと、森林の荒廃や林業の問題、生き物の目線、また住民との合意形成の在り方、氾濫原における水のコントロールの望ましい方向性など、様々な視点で考えてきました。

 第6回の今回は、流域の治水を考える上で、住民の関心が強い流水型の川辺川ダムについて、私たちが懸念すること、建設された流水型ダムの現場で起こっていること、また、流水型ダムについて研究や検証がどこまで進んでいるか、様々な視点から考えてみたいと思います。どうぞお気軽にご参加ください。

■日時:
2023年7月25日(木)19:00-21:00 ※オンライン開催 ならびに 視聴会場あり

■報告:
【報告1】つる 詳子(自然観察指導員熊本県連絡会 会長)
 全国の流水型ダムを紹介しつつ、川辺川にそれ以上に巨大な流水型ダムが建設された場合の環境影響の懸念、建設を前提に進められている環境アセス手続きの問題点などについての報告です。

【報告2】阿部 修氏(最上小国川の清流を守る会 幹事)
 山形県最上川に2020年に建設された最上小国川ダムは、山形県の最上小国川ダムは、川辺川ダムに比べ高さ1/3、幅1/2、集水面積1/12、総貯水量1/58と小さな流水型ダムです。運用開始から2年が経過した現在についての報告です。

【報告3】皆川 朋子氏(熊本大学大学院先端科学研究部 准教授)
 国内で建設された流水型ダムは、運用後の検証が不十分で、流水型ダムが環境に与える影響の報告はほとんど目に触れません。流水型ダムが環境に与える影響について、明らかになっていること、実際に起こっていることなど、現在分かっている知見についての報告です。
(プロフィール)
熊本大学大学院先端科学研究部准教授。河川環境に配慮した川づくりの分野が専門。自然再生、多自然川づくり、人為的改変が河川生態系に与える影響の解明及び修復手法に関する研究、河川構造と生態的機能の解明、住民参加の川づくりなどに取り組んでいる。

■開催方法・会場:
Zoomによるオンライン開催 ならびに 視聴会場あり

 ※視聴会場 八代市西宮・上日置集会所(熊本県八代市上日置町1852-3) 

■参加費:
無料(要申込み) 

■申込方法:
 こちらの第6回セミナー申し込みフォームからお申込みください。折返し、メールにてzoom会議参加用のリンクをお送りします。

■主催:球磨川流域と私たちの暮らしの在り方を考えるプロジェクト(「気候危機と水害:ダムで暮らしは守れるか?」連続セミナー実行委員会)

■協力:アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、メコン・ウォッチ