八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム事業の骨材プラントヤード跡地、吾妻環境施設組合がごみ処理施設整備のため取得

 昨日の上毛新聞一面に、八ッ場ダム事業で使われた骨材プラントヤードの跡地利用についての記事が掲載されました。
 八ッ場ダムの堤体建設にあたっては、ダム堤周辺の地質が脆いことから、吾妻川右岸の川原湯地区の背後の山、金鶏山(金花山)の裏手に骨材プラントヤードが設けられました。金鶏山には3000メートル超のトンネルがつくられ、砕石を運搬するためにダム堤まで水没地を含めて約10キロ区間をベルトコンベヤーが設置されました。
 同紙はこれまでも骨材プラントヤード跡地について報道してきており、昨日の報道は跡地を吾妻郡六町村のごみ処理施設として利用するという既報通りの状況を伝えています。

◆2024年8月1日 上毛新聞 紙面より転載

ー骨材プラントヤード跡地取得 吾妻環境施設組合ー

 吾妻郡6町村でつくる吾妻環境施設組合(管理者・中沢恒喜東吾妻町長)は31日までに、6町村共同の新ごみ処理施設の建設用地として、八ッ場ダム建設事業で使われた骨材プラントヤード跡地(東吾妻町大柏木)を取得した。

 用地の総面積は道路部分を含めて約18万8千平方㍍。今秋中にも地元住民、有識者を含めた検討委員会を発足させ、本年度中に施設整備の基本計画をまとめる。新施設は2030年度の供用開始を目指す。

 跡地はダム建設事業の終了に伴い更地となり、財務省が管理していた。昨年12月の国有財産関東地方審議会の答申を受け、無償貸し付けや時価売却により、施設用地として約7万3千平方㍍が同組合に、道路用地として約11万5千平方㍍が東吾妻町にそれぞれ引き渡されることが決まった。3月下旬に契約金額が決まり、6月10日付で契約した。

 郡内で稼働中の3か所のごみ処理施設は運用開始から30年以上が経過。中之条、長野原、嬬恋、草津、高山、東吾妻の6町村は新施設によるごみ処理の一本化を目指している。

—–転載終わり—–

写真=浅間隠山より金鶏山を望む。八ッ場ダムに砕石を供給し、骨材プラントヤードを整備した金鶏山は、山の中腹が抉れている。八ッ場ダムは金鶏山の反対側にあり、写真では見えない。