八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム来訪、5年目で100万人達成 

 八ッ場ダムを管理する国土交通省が同ダムを訪問する観光客が100万人に達したことを記念する式典を開催したと、群馬県内のメディアが発信しています。
 八ッ場ダムが建設された群馬県長野原町は、上流側に草津温泉、万座温泉、軽井沢など東日本有数の観光地を控える観光ルートの道筋にあります。ダム堤わきの国道は一日一万台の交通量と言われてきましたから、八ッ場ダム運用開始から5年目にして堤体を訪れた観光客が100万人に達したのも驚くにあたりません。

 かつては周辺に川原湯温泉があり、ドライブインや土産屋などにも多くの観光客が立ち寄ったのですが、旧温泉街が水没したことにより、観光客の多くは国道対岸の代替地に移転した新しい川原湯温泉は素通りするようになり、代わりに国道沿いのダム堤や道の駅「八ッ場ふるさと館」が立ち寄りスポットとして利用されるようになりました。
 地元紙の記事によれば、八ッ場ダムへの100万人目の観光客と認定された横浜市のご夫妻は、温泉巡りの途中で八ッ場ダムに立ち寄ったということですが、ダム下流の川中温泉を訪ねた後、長野県へ向かうとあり、川原湯温泉には触れていません。

 八ッ場ダムは利根川流域一都五県の治水・利水を目的に建設されましたが、横浜市がある神奈川県は相模川水系です。相模川水系では、やはり治水・利水を目的に首都圏最大の宮ヶ瀬ダム(2000年竣工)が建設されました。横浜市などの水道事業は宮ケ瀬ダムが大きな負担となっていますが、同様の状況が利根川流域の水道事業と八ッ場ダムの関係でも見られます。
 

◆2024年8月24日 上毛新聞(紙面より)
ー八ッ場ダム来訪100万人達成ー

 群馬県長野原町の八ツ場ダムの来訪者が23日午前、100万人を達成した。2020年3月に完成し、同年7月の一般見学開始から約4年での到達。式典が行われ、100万人目の来訪者に認定証と、特別なダムカード入りのアクリルフォトフレームといった記念品が贈られた。

 100万人目は桐生市出身の高校教諭、新井太郎さん(63)と妻で主婦の清美さん(60)=横浜市。2泊3日で温泉巡りをしており、川中温泉(東吾妻町)から長野県へ向かう途中で同ダムを初めて訪れた。

 新井さんは「桐生高の同級生がダム建設に携わったこともあり、見てみたかった。周囲の山並みがいいと思う」と感心していた。清美さんは「ダムに沈んだ地区の人たちにとっての心の古里と思いながら見学した。みんなの安全と水の供給のためにダムが役立つといい」と話した。

 式典を主催した国土交通省利根川ダム統合管理事務所の坪谷剛所長は「さらに多くの人にダムのことを知ってもらい、訪れてもらえるよう取り組む。ダムと湖の大きさ、下流の吾妻峡と一体となった景観、放流の迫力をぜひ体験してほしい」と述べた。

 来訪者数は堤体に設置されているセンサーでカウントしている。(前原久美代)

◆2024年8月23日 群馬テレビ
https://news.yahoo.co.jp/articles/49b57cdf0d4f7b4f503473fbad82ce12c1487684
ー八ッ場ダム来訪者100万人到達で記念式典 群馬・長野原町ー

 長野原町にある八ッ場ダムへの来訪者が23日100万人になり、記念式典が開かれました。
 八ッ場ダムの100万人目の来訪者となったのは、神奈川県横浜市から観光で初めて訪れたという新井太郎さん・清美さん夫妻です。
 ダムにかかる橋の上で「100万人記念式典」が開かれ、利根川ダム統合管理事務所の坪谷剛所長から2人に、八ッ場ダムの歴代のダムカードがデザインされた認定書が贈られました。

 八ッ場ダムは2020年3月に完成し、7月に一般見学が始まってから約4年で来訪者100万人を達成しました。
 利根川ダム統合管理事務所によりますと、毎年約20万人が訪れますが、今年度は約5カ月で12万人と、例年を上回るペースだということです。
 坪谷所長は、「さらに皆さんに来ていただけるよう努力していきたい」と話しました。
 八ッ場ダムでは、増加する観光客に対応するため、ダムの管理開始5年目を記念した親子参加型の工作教室や無料の見学ツアーも開催しています。