大寒の早朝に行われる湯かけ祭りですが、今年の大寒は気候変動を実感させる暖かさとなりました。
川原湯温泉のある長野原町川原湯地区の気温は、日本気象協会によれば祭りが始まった午前5時にはさすがに零度を下回っていましたが(マイナス0.5度)、日中の最高気温は11.7度まで上昇しました。
例年、大寒の20日には、NHK前橋放送局などが季節にふさわしい行事として湯かけ祭りの様子を放送するのですが、今年は報道が少ないようです。祭り当日現在(1月20日)ネット上で見られるのは以下の共同通信の配信記事のみでした。
◆2025年1月20日 共同通信
https://nordot.app/1253872235657281981
ー湯かけ合い「お祝いだ」、群馬 川原湯温泉で祭りー
群馬県長野原町の川原湯温泉の共同浴場「王湯」前で20日早朝、無病息災を祈る「湯かけ祭り」が開催された。極寒の中、ふんどし姿の参加者が「お祝いだ」と叫びながら勢いよく湯をかけ合った。
午前5時半ごろ、約30人の男たちが紅白に分かれ、一斉に湯をかけ合う「合戦」が始まった。白いしぶきが上がり、観客にも容赦なく湯が浴びせられた。
群馬県中之条町の会社員渡勝紀さん(34)は「一年で一番楽しみな祭りで胸が躍る」と笑顔を浮かべた。
川原湯温泉協会によると、約400年前、突然湯が枯れてしまった源泉にニワトリをささげると再び湯が湧き出し「お湯湧いた」(お祝いだ)と喜び湯をかけ合ったのが起源とされる。
こちらは、翌朝の上毛新聞一面にカラー写真とともに掲載された記事です。
◆2025年1月21日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/597496
ー大寒に豪快、湯かけ祭り 川原湯温泉(群馬・長野原町)で伝統の奇祭ー
温泉の湯をかけ合って神に感謝する奇祭「湯かけ祭り」が二十四節気の一つ「大寒」の20日早朝、群馬県長野原町の川原湯温泉にある共同浴場「王湯」で開かれた。下帯姿の男性30人が「お祝いだ」のかけ声とともに豪快に湯をかけ合った。
夜明け前の午前5時ごろ開始。神事の後、赤組大将の降籏(ふるはた)大輝さん(39)、白組大将の樋田泰彦さん(38)の下、紅白に分かれて湯かけ合戦が行われた。最後はくす玉を割り、中に入っていたニワトリを取り合った。
祭りは約400年前、温泉が枯渇した際に村人がニワトリをささげて祈ったところ、再び湯が湧き出し、湯をかけ合って喜んだのが起源とされる。八ツ場ダム建設に伴い、王湯が高台に移転してからも続いている。
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以下の朝日新聞のサイトでは、1940年当時の湯かけ祭りの動画が見られます。
◆2019年3月2日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASM1P3K39M1PUHNB001.html
ーダムに沈む温泉街に響く歓声 湯かけ祭り、80年前の姿ー