八ッ場ダムのある群馬県吾妻郡の交流人口に関するニュースがありましたのでお知らせします。
一つは八ッ場ダム上流の草津温泉が活況であることを示すニュースです。
首都圏の観光客が草津温泉を訪れる際の最も一般的なルートは、関越自動車道を伊香保渋川インターでおりて、吾妻川沿いの辿る道です。八ッ場ダムはこのルート上にあり、400万人以上という草津温泉の入込客の多くが八ッ場ダムの脇を通過することになります。
もう一つの記事は、八ッ場ダムの脇を通っている国道の高規格道路を上流の嬬恋村へ延伸させる計画が進んでいることを伝えるものです。これも「国土強靭化」の名のもとに国土交通省の予算に組み入れられた事業の一つです。
高規格道路・上信自動車道の中で最も早く完成したのは、八ッ場ダム貯水池の脇を走る八ッ場バイパス区間です。(参考記事➡「八ッ場ダム本体工事現場の脇を通る国道の災害防除工事(その1)」)
吾妻川沿いには既存の国道があり、上信県境では四阿山の麓の鳥居峠を越えて長野県上田市へ至ります。道路計画の地図によれば、上信自動車道も県境では鳥居峠付近を通過するようです。
草津温泉が活況で、道路事情もますますよくなるとのことですが、八ッ場ダムのある地域はこれまで以上に通過地点のイメージが濃くなりそうです。新たに事業化された嬬恋バイパス区間の完成時期は、記事によれば未定です。最終的に上信自動車道は長野県東御市まで至り、上信越自動車道につながるとのことですが、道路が完成した頃、この地域はどうなっているのでしょうか。
◆2025年4月3日 上毛新聞 紙面記事より
ー草津400万人突破 24年度入り込み客過去最多ー
草津町の2024年度入り込み客数は401万9400人で、23年度の370万1300人を8.6%上回り過去最多を更新したことが3日、町のまとめで明らかになった。町は温泉街の再整備事業を通じて明治~昭和期をイメージした景観や名所づくりを進め、交流サイト(SNS)などで発信したことで、若い世代を中心に「写真映え」すると人気を集めたと分析する。町内は今後も観光インフラの整備が予定されており、さらなる集客に期待している。
町の入り込み客数は23年度に新型コロナウイルス禍前の最多だった19年度の327万1646人を上回ったが、2年連続での更新となった。24年度はいずれの月も前年同月を上回り、特に学生のグループ客が多い3月は2.6%増の43万2887人と月別の最多を更新した。
(中略)
SNSで若年層への発信を強化してきた草津温泉観光協会の福田俊介事務局長は「いろいろな角度からプロモーションをしてきた。それが認められたような気持ち」と喜び、草津温泉旅館の女将でつくる「湯の華会」の黒岩智絵子会長は「ありがたいことに今はもう毎日が繁忙期」とうれしい悲鳴を上げた。
町内では12月に草津温泉スキー場のメインレストランである天狗山レストハウスの建て替えが完了予定。星野リゾート(長野県)や東急不動産(東京都)が近くに大規模ホテルを建設中で、今後も観光インフラの整備が進む。
◆2025年4月2日 上毛新聞 紙面記事より
ー上信道 鎌原ー田代間12キロ 嬬恋バイパス事業化ー
国土交通省は1日、2025年度の同省関係予算の配分(箇所付け)を発表した。群馬県関係は補助事業で676億6100万円を配分。渋川市と長野県東御市を結ぶ上信自動車道(全長83キロ)については嬬恋バイパス(嬬恋村鎌原―同村田代)の12キロを新たに「整備区間」に格上げする。
嬬恋バイパスは、既に「整備区間」となっている長野原嬬恋バイパス(8キロ)から西に延びる区間で、04年に「調査区間」に指定された。県は25年度に事業費4千万円を計上し、地質調査や測量などルート設定に向けた準備を進める。完成時期は未定。総事業費は433億円を見込む。
(中略)
国に整備区間指定を要望してきた上信自動車道建設促進期成同盟会長の小渕優子衆院議員は「関係者の熱意のたまもので群馬県にとって大変喜ばしい。引き続き全線供用の早期実現を求めていきたい」とした。
地元、嬬恋村の熊川栄村長は「草津への観光客や嬬恋からのキャベツ輸送車も行き交う基幹的な産業道路となるだけでなく、防災や地域医療の面でも重要、吾妻郡全域の産業発展につながるはず」と期待した。
渋川市を起点とする上信自動車道はすでに29.6㌔が通行可能。現在、渋川西バイパスの一部区間(1.9㌔)や長野原嬬恋バイパスなど23.5㌔の整備を行っている。今回事業化が決まった嬬恋バイパスの起点になる同村鎌原までは29年度中に開通する見通し。