紅葉シーズンのダム予定地では、多くのカメラマンの姿が見られます。
八ッ場ダムの本体工事によって破壊される国の名勝・吾妻渓谷も紅葉の最盛期を迎えています。
渓谷の写真展が東京都地元で相次いで開かれ、反響を呼んでいるとの記事を転載します。この写真展は、東京・浅草とダム予定地の代替地で開かれましたが、この後、渋川市美術館などでも展示されるとのことです。
◆2013年11月2日 東京新聞群馬版
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20131102/CK2013110202000168.html
-八ッ場の絶景 カメラに残す アマ写真家・天田さん(渋川)ー
八ッ場(やんば)ダム(長野原町)建設により、将来失われるかもしれない吾妻渓谷の風景を撮った写真展が、東京都台東区浅草1のギャラリー「ブレーメンハウス」で開かれている。渋川市のアマチュア写真家、天田秀樹さん(65)が貴重な記録を残そうと、約1年間、撮影した。定点で捉えた写真ならではの展示となっている。
「最寄りの川原湯温泉駅から徒歩15分。民家のこんな近くに奇岩や幽谷の景色が広がる。素晴らしい景色が日々どう変化するか楽しみだった」。天田さんが話した。
昨年11月4日から今年10月27日まで、ダム建設予定地から約1.5キロ下流の遊歩道から渓谷の撮影を続けた。小型デジタルカメラで角度を変えて1日2カット、1年間で100枚を撮った。これらの写真を横8.8センチ、縦25~33センチに印刷して、ギャラリーの壁一面に展示した。写真は、木々の色が季節とともに移り変わる姿を捉えており、定点撮影ならではの味わいがある。
4日まで。正午~午後7時(最終日は午後4時まで)。無料。3日正午から、天田さんの友人のギタリスト・笠原伸一さんの独奏もある。問い合わせは、ブレーメンハウス=電03(3842)2250=へ。 (丹治早智子)
◆2013年11月9日 上毛新聞
http://www.jomo-news.co.jp/ns/8313839596055244/news.html
-変わりゆく景観記録 吾妻渓谷を定点撮影 1年間で100枚 ー
国の名勝、吾妻渓谷を同じ場所から1年間にわたり毎週撮影し続けたアマチュア写真家、天田秀樹さん(65)=渋川市渋川=の写真展が8日、長野原町川原畑の飲食店「うどん専科麦の香り」別館ギャラリーで始まった。
八ツ場ダム建設予定地を含み、一部が失われる渓谷の景観を記録し、あらためてその素晴らしさを伝えようと企画した。天田さんは「渓谷の四季の移り変わりを見てほしい」と話している。12日まで。
昨年11月4日からことし10月27日まで、ダム建設予定地から約1・5キロ下流の国道145号沿いで撮影した。景勝地「八丁暗がり」の中でも最も川幅が狭い場所と、川の勢いで削られた奇岩「龍ノ剣磨岩」周辺の2カ所を、毎週日曜日の午後2時40分に写した。写真展では、縦長のパノラマ写真計100枚を撮影順に並べ、縦59センチ、横440センチの作品に仕立てた。
入場無料。問い合わせは同店(☎0279・82・1109)へ。作品は20日から25日まで、渋川市美術館・桑原巨守彫刻美術館でも展示される。
写真=作品の前に立つ天田さん。「1週間違うだけでも景色が激しく変化しているところを見てほしい」と話す