八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

道の駅「あがつま峡」オープン

みちの駅「あがつま峡」オープンshuku 八ッ場ダムの本体工事が国の名勝・吾妻渓谷で間もなく始まることになっていますが、渓谷下流では、新たに「あがつま峡」という名称の「道の駅」がオープンしました。

 以下のページが東吾妻町の八ッ場ダム関連事業を扱うダム対策室のページであることからもわかるように、この道の駅も、長野原町の道の駅「八ッ場ふるさと館」と同様、八ッ場ダムの地元自治体における生活再建事業の一環として、八ッ場ダムによる水道用水の供給を受ける利根川流域都県が施設建設費を負担しました。

◆東吾妻町ホームページ 道の駅「あがつま峡」グランドオープン!!http://www1.town.higashiagatsuma.gunma.jp/www/contents/1411958876025/index.html

 東吾妻町のホームページには、道の駅「あがつま峡」のパンフレットや周辺マップも載っています。

○道の駅「吾妻峡」のパンフレット
http://www1.town.higashiagatsuma.gunma.jp/www/contents/1411958876025/files/pamphlet.pdf
 

○周辺マップ
http://www1.town.higashiagatsuma.gunma.jp/www/contents/1411958876025/files/map.pdf

 長野原町の道の駅「八ッ場ふるさと館」が八ッ場ダムの水没予定地の景観を売りにしているのに対して、東吾妻町の道の駅「あがつま峡」は、文字通り、名勝・吾妻渓谷をアピールポイントとしていることがパンフレットの「残された渓谷美に出会う郷」というキャッチフレーズからもわかります。

 けれども、地元ではすでに、八ッ場ダムの本体工事が始まると、吾妻渓谷に行くための国道は閉鎖するという国交省と群馬県の方針が明らかにされています。
 吾妻渓谷へ行く道としては、国道のほかに、下流の東吾妻町側からも上流の長野原町側からも山道を辿るルートがありますが、いずれも渓谷へ行くには、かなりの距離、山道を登っていかなければならず、よほど時間があり、足に自信のある人でなければ目的地にたどり着けません。
 下流の東吾妻町側の渓谷入り口周辺は、比較的なだらかな斜面であることもあって、常緑樹の人工林が広がっており、名勝・吾妻渓谷固有の自然林とは景観が大きく異なります。

 国土交通省は八ッ場ダムができても、吾妻渓谷の主要な観光スポットである”鹿飛橋(しかとびばし)”や”八丁暗(はっちょうくら)がり”などは、水没することなく保全されます」と説明してきましたが、当会では、名勝の中にダムを建設することによる環境破壊の凄まじさ、ダム貯留による渓谷下流部への影響の大きさを考えた時、国土交通省による説明は、ダムによる名勝へのダメージを少なく見過ぎていると訴えてきました。
 本体工事の実施中、鹿飛橋に数分歩けば降り立つことができ、八丁暗がりに沿って散策することのできる国道を閉鎖すれば、渓谷観光は少なくとも何年もの間、一般の観光客には困難になります。
 国交省の説明不足、報道の掘り下げ不足を改めて感じます。
 
○国交省八ッ場ダム工事事務所ホームページ 「八ッ場ダムQ&A」
 http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/faq/answer7_0.htm

 
◆2014年10月11日 読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20141010-OYTNT50464.html
ー道の駅・あがつま峡オープン 県内30か所目ー

 国土交通省関東地方整備局は10日、「あがつまふれあい公園」(東吾妻町三島)を、県内30か所目の「道の駅」として登録したと発表した。施設はすでに一般開放されているが、11日に開所式典が行われ、「道の駅 あがつま峡」として営業を開始する。

 同道の駅は、国指定名勝「吾妻峡」の最下流にあり、約5万2400平方メートルの敷地に、日帰り温泉施設「吾妻峡温泉 天狗の湯」や農産物直売所、足湯やドッグランなどが整備されている。乗用車80台、大型車11台、障害者車両4台の駐車場もある。

 東吾妻町が、八ッ場ダム建設に伴う生活再建事業の一環として整備した。

 開所式典は午前10時半から同道の駅で行われ、国交省職員が中沢恒喜・同町長に道の駅登録証を手渡す。式典後、正午から一般に開放される。町の担当者は「例年、11月上旬から吾妻渓谷の紅葉が見頃を迎える。道の駅に立ち寄って散策を楽しんでほしい」と話している。

◆2014年10月12日 朝日新聞群馬版
 http://digital.asahi.com/articles/ASGBC2QLZGBCUHNB001.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASGBC2QLZGBCUHNB001
ー吾妻峡玄関口に「道の駅」 八ツ場ダム関連事業ー

 八ツ場ダムの建設関連事業として整備された東吾妻町の町営日帰り温泉施設や農産物直売所などが、県内で30番目の道の駅「あがつま峡」(同町三島、5・2ヘクタール)として登録され、記念式典が11日、行われた。

国指定の名勝「吾妻峡」の玄関口にあり、町は渓谷美を生かした観光振興に取り組む考えだ。

 八ツ場ダム建設予定地の下流にあり、温泉施設「天狗(てんぐ)の湯」は先行して2010年にオープンした。貸し切り風呂、無料の足湯を備え、年間の利用者は7万4千人を超える。

 今月1日に営業を始めた直売所「てんぐ」は、地元特産の豚を使ったカレーなどが食べられる軽食コーナーもある。幼児向け遊具などがある広場、ドッグランを備えた公園があり、ドクターヘリが患者を搬送する際のヘリポートにも指定されている。

 総事業費は約13億2千万円で、ダム建設で治水や利水の恩恵を受けるという利根川下流域の都県が負担した基金などを活用した。町によると、臨時も含めた道の駅での雇用は25人ほどだという。

 ダムの下流側は、ダムを生かした観光が難しいとされる。中沢恒喜町長は「吾妻川に歩行者用の橋を架けるなど新たな整備を進めたい」と話している。(長屋護)

◆2014年10月11日 毎日新聞群馬版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20141011ddlk10040286000c.html

ー道の駅:きょう東吾妻にオープン /群馬ー

 八ッ場ダム建設に伴い東吾妻町が整備した「あがつまふれあい公園」が完成し、11日に道の駅「あがつま峡」としてグランドオープンする。生活再建事業の一環。ダム下流に位置し、町は「八ッ場観光の玄関口として地域・観光振興につなげたい」という。

 東吾妻町三島の町道沿いの5万2400平方メートル。日帰り温泉「天狗の湯」や農産物直売所、多目的広場、遊歩道などがある。駐車スペースは95台分。2010年に天狗の湯、12年には多目的広場が完成し、順次オープンしていた。総事業費は約13億2000万円。

 11日午前中に式典があり、正午にグランドオープン。地元の岩櫃太鼓や鼓笛演奏などが予定されている。【角田直哉】