八ッ場ダム予定地住民の移転代替地に有害な鉄鋼スラグが埋め立てられている問題について、現在、国交省関東地方整備局は調査を行っています。
有害スラグが公共工事現場で大量に使われていた問題は、群馬県内各所で発覚していますが、有害スラグ問題の震源地である渋川市では、有害スラグを出した同市内の大同特殊鋼が最初に問題がクローズアップされた遊園地にあるスラグの撤去費用を負担することになりました。
渋川市が税金を使ってスラグ撤去作業を始めたところ、これを問題視する市民の声があがり、撤去作業はこれまで中断されていました。
八ッ場ダム事業においても、有害スラグの早急な全面撤去が求められます。
関連記事を転載します。
◆2014年11月15日 毎日新聞群馬版
http://sp.mainichi.jp/area/gunma/news/20141114ddlk10040116000c.html
ー有害物質:鉄鋼スラグ問題 大同が処理費負担、渋川市に申し入れ /群馬ー
大同特殊鋼の渋川工場から出た鉄鋼スラグを巡る問題で、渋川市は13日、渋川スカイランドパーク(同市金井)の第2、第6駐車場の補修工事で撤去したスラグ砕石の処理費用約2400万円について、大同が任意で支払うことで合意したと発表した。
市都市計画課によると、補修工事に伴い産業廃棄物となったスラグ砕石を処理する業務を渋川市内の建設業者に委託。2013年9月の業務完了後、市は処理費約2400万円を業者に支払った。市は駐車場の路盤材としてスラグ砕石の納入した大同に対し「費用負担を求めない」と決めていたが、その後の協議の中で大同側から処理費支払いの申し入れがあったという。
両駐車場の補修工事を巡っては、渋川市民の男性(62)が処理費を大同に請求するよう阿久津貞司市長に求める訴訟を前橋地裁に起こしている。この男性は13日、毎日新聞の取材に「市が支出したこと自体の違法性についてもはっきりさせたい」と述べ、訴訟は取り下げない意向を示した。【角田直哉】
◆2014年11月15日 上毛新聞
ースラグ砕石処理費 大同負担で合意 渋川市ー
渋川市は13日、市内で路盤材として使用後に搬出したスラグ砕石の処理費用約2450万円を、納入業者の大同特殊鋼(名古屋市)が負担することで合意したと発表した。
市によると、スラグ砕石は大同特殊鋼渋川工場から納入され、渋川スカイランドパーク駐車場の路盤材として1996年度に施工された。その後劣化したため、がれきとして搬出したが、最終的に産業廃棄物としての処分が必要になったことから、昨年度に約2450万円の処理費用を市が支出していた。
市は「費用負担を求める根拠はなかったが、申し出を受け合意した」とし、大同特殊鋼は「総合的に判断して対応した」としている。
市内ではこのほか道路や駐車場など38カ所でスラグ砕石の使用が確認されており、市は県や国と協議しながら適切に対応していく方針。
—転載終わり—
以下の写真は、有害スラグが埋め立てられた渋川スカイランドパークの道路。有害スラグが水分を含んで膨らんだため、路面が波打っている。