八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム予定地の国道封鎖、地元住民の理解得られず

 11月18日に予定されている八ッ場ダム予定地区間の国道封鎖について、水没予定地住民は国交省と群馬県の姿勢に反発し、住民の生活を踏みにじる行政の対応に強く抗議してきました。
 国道封鎖前に納得のゆく説明をするべきだとの住民の要望を受けて、ようやく昨日11月14日、国交省と群馬県の出先機関の職員らが説明会を開催しましたが、従来通りのいい加減な説明を繰り返したため、住民らの納得は得られませんでした。
 不満のガス抜きを狙った行政の思惑は空振りに終わり、住民側は協議の継続を求めています。

 関連記事を転載します。

◆2014年11月15日 上毛新聞社会面

 -国道145号通行止め 住民の理解得られず 八ッ場ダム工事 県が経緯説明ー

 長野原町の八ッ場ダム本体工事に関連し、県が決めた国道145号の一部区間の全面通行止めに反対している地元住民への説明会が14日、同町川原畑住民センターで開かれた。国や県の担当者が住民ら4人に通行止めを決めた経緯や今後の工事日程などを説明したが、「通行止めになれば生活に支障が出る」などと理解を得られなかった。
 通行止めは本体工事の土砂の運搬などを担う工事車両の専用道路として整備するためで、県は18日に実施するとしていた。住民の理解が得られなかったことを受け、県は今後の対応を検討する。住民側は協議の継続を求めている。

◆2014年11月15日 東京新聞群馬版
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20141115/CK2014111502000160.html
ー住民と行政、主張平行線 八ッ場ダム工事 廃止めぐり説明会ー

 
八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の本体工事を進めるため、水没予定地を通る国道145号の一部区間が十八日正午、管理する県によって廃止される。水没予定地の地元住民の生活を支えてきた道路だ。今も移転せずに残る一部住民は「住民の交通手段を奪う」と反発。住民は十四日、町内で国、県の担当者との説明会に臨んだが、双方の主張は平行線のままだ。 (伊藤弘喜)

 通行止めとなるのは、廃止となった旧JR川原湯温泉駅前を通る国道145号の長野原町林から同町川原畑までの三・六キロ。

 今年八月、145号沿いで暮らす町民四人が存続を求める要望書を大沢正明県知事に提出。国土交通省八ッ場ダム工事事務所が十月二十日に町議会や水没する五地区住民に廃止を説明したが、納得がいかない町民二人が今月四日、県に説明を求めていた。

 この日の説明会には国や県の担当者計八人、町民三人と町議一人が出席。町民たちは国道の廃止で「車で新国道に出るのに遠回りになり負担が増える」「迂回(うかい)路の安全対策は不十分」と訴えた。

 しかし、県の担当者は「廃道は既に周知し、関係住民にはおおむね了解を得られた」と主張。廃道後も職員立ち会いのもとでなら通行を許すとしたが、今後、廃止区間は、本体工事のための大型車両が頻繁に通るようになる。

 遠回りで生じるガソリン代の補償を求める意見も出たが、「負担できる方法はない」と国の担当者。

 ただ、ある町民が、廃道区間の一部の土地を所有していると明かし、「今後は通らないで」と求めると、県担当者が「知らなかった」と驚く場面もあった。

 「八ッ場ダムで町はズタズタ。その中でこの対応はあんまりだ」。町民から嘆きが漏れた。

—転載終わり—

国土交通省が地元住民に配布した図。水没予定地の川原畑地区と川原湯地区から国道につながる町道は、11月18日の国道封鎖措置により、すべて町道から国道への出口箇所で閉鎖されることを示しています。

キャプチャ町道閉鎖箇所

 11月18日に閉鎖される千歳新橋(国道の一部)から吾妻川上流を望む。

千歳橋から上流を望むshuku

 関連ページをご参照ください。

★「八ッ場ダム予定地を走る国道通行止めを群馬県が公表」
 https://yamba-net.org/wp/?p=9485

★「水没予定地の国道供用廃止に住民抗議」
 https://yamba-net.org/wp/?p=9416