鉄鋼メーカー大同特殊鋼渋川工場から出た有害スラグに関連して、ようやく群馬県が強制捜査に踏み切りました。有害スラグは八ッ場ダム湖予定地周辺に造成された水没住民の移転代替地でも大量に使われていることが昨年明らかになり、大きな関心を呼んできました。
代替地には今も有害スラグがあり、問題は解決に程遠い状況です。関連記事を転載します。
◆2015年9月12日 毎日新聞
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi_region/region/mainichi_region-20150912ddlk10040056000c.html
ー<有害スラグの闇>大同特殊鋼「再生資材」強制捜査/上 70万トンの「廃棄物」撤去問題 /群馬ー
◇多額の費用、方針定まらず
大同特殊鋼渋川工場の鉄鋼スラグからは、環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出されている。「建設資材」の名で200カ所以上にばらかまれた「廃棄物」は計70万トン以上。大部分は撤去方針が定まっていない。県は、これまでの調査で地下水への影響はないとして、工事を発注した国や自治体に判断を委ねる方針だ。
渋川市では公共施設の駐車場や公園など72カ所でスラグ使用が判明し、30カ所以上で環境基準を超えるフッ素を含んだスラグが露出。立ち入り禁止場所の柵には「県の指導に基づき適切な対応をとる」と掲示されているが、その文字は風雨でかすれつつある。市民から苦情が相次ぎ、市議会は6月、措置計画の早期策定を求める決議を可決した。
遊園地「渋川スカイランドパーク」では駐車場や周辺の遊歩道が立ち入り禁止に。隣接する住宅地に住む男性(74)は「定年後、自然環境のよさにひかれて引っ越して来たのにこの事態。妻と散歩を楽しんでいた遊歩道も通れなくなった。これからどうするのか」と憤る。県警への刑事告発を受けて国、県、市による連絡会議の第3回会合が予定されているが、ある市職員は「復旧には多額の費用が必要。大同に何とかしてほしいが、市にとっては法人税の大口納税者。法的処分が決まるまで手の打ちようがない」と打ち明ける。
前橋市富士見町地区では8カ所で市道の敷き砂利から環境基準を超えるフッ素が確認された。市道路建設課は「大同に撤去費用を出すよう調整を重ねてきたが、7月以降は交渉が止まった。撤去には相当な費用が予想され、市税投入は難しい。県がスラグを廃棄物と認定したことが周知されれば、早期撤去を求める声が市民から出るかもしれない」と説明する。
「廃棄物」と認定されたスラグは、八ッ場ダムの移転代替地(長野原町)にも使用されていた。ダム用道路の2工事では毒性の強い六価クロムが検出された。有害物質が検出された移転代替地の2軒の住宅では、敷地内のスラグが撤去された。代替地への移転を予定している70代の男性は「県や国は安全だと言うが『想定外』があっては困る。廃棄物が違法に処理されたのなら撤去が筋ではないのか。スラグ問題を抱えたままでは周辺の観光業者も悪影響を受ける」と不安そうに話した。
◇
大同特殊鋼の鉄鋼スラグ問題は刑事事件に発展した。闇の部分の実態解明が期待される環境汚染事件の現場から報告する。
◆2015年9月12日 毎日新聞 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20150912ddm012040028000c.html
ー有害スラグ問題:強制捜査 全撤去に200億円超ー
◇幹線交通への影響懸念
大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題は11日、群馬県警による強制捜査により刑事事件に発展した。
実態解明が進む一方、八ッ場ダム(同県長野原町)の住民移転代替地や国道など幅広い工事で使われた有害スラグの撤去は、交通などへの多大な影響が懸念される上、200億円超ともされる費用負担が重くのしかかる。【杉本修作、尾崎修二】
家宅捜索は大同の本社や渋川工場に加え、子会社の「大同エコメット」(愛知県東海市)やスラグ販売先の建設会社「佐藤建設工業」(渋川市)にも及んだ。
同日行われた群馬県の会見によると、大同は2002~14年、エコメットや佐藤建設工業にスラグを建設資材として販売しつつ、販売額以上の金を販売管理費などの名目で支払う「逆有償取引」をしていた。
スラグは県内で国などが発注した工事225カ所で使われたが、93カ所では環境基準を超えるフッ素などが検出され、県は建設資材ではなく廃棄物と認定。
エコメットと佐藤建設工業は廃棄物を処理する許可を得ていないことを知りながら大同が処理を委託したとして、3社を同法違反容疑で7日付で県警に刑事告発した。
一方、有害な廃棄物を巡り、都道府県は業者側に撤去を指示する「措置命令」を出すことができるが、群馬県は今回命令を出さず、工事を発注した国や自治体に、誰が撤去を担うか、そもそも撤去するかどうかを含めて判断を委ねた。
背景にあるのは、一つは交通への影響だ。スラグが使われた国道17号バイパスは東京と新潟をつなぐ幹線道路で交通量も多い。
調査対象の十数キロのうちでは19カ所でスラグが確認され、道路表面に近い路盤だけでなく、道路を数メートルかさ上げする盛り土にも混入されていた。国土交通省の関係者は「盛り土まで撤去すると相当な時間がかかり、再舗装も必要だ。長期間の通行規制は避けられない」と話す。
加えて、撤去には多額の費用が掛かる。管内49カ所で有害物質が検出された渋川市は撤去費用を1トン当たり3万円と試算。大同が出荷したのは計約76万トンとされ、全撤去となると228億円も掛かる計算だ。
渋川市は市内分の撤去費を少なくとも5億7000万円と試算するが、市幹部は「住民からの要望もあり直ちに撤去したいが財源の問題で難しい」という。
大同は11日、「使用場所の特定や対応工事への協力を通じて責任を果たす。多大なご心配やご迷惑をお掛けしたことに改めて深くおわびします」とのコメントを公表した。
◆2015年9月12日 読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20150911-OYTNT50427.html
ー八ッ場ダム関連の大同特殊鋼強制捜査 スラグ不正処理12年間かー
◆県「廃棄物にあたる」認定
鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(渋川市石原)から出た鉄鋼スラグを巡る問題は11日、県警が廃棄物処理法違反容疑で同社などを捜索し、強制捜査に発展した。県は緊急記者会見を開き、同工場のスラグについて「廃棄物にあたると認定した」と説明。同社が約12年間にわたって、不正な処理を続けていたとの調査結果を明らかにした。環境基準を超えるスラグの使用は県内93か所で確認されており、さらに膨らむ見通しだ。
「販売名目でも、実際は廃棄物処理の委託だった」
県庁で記者会見した青木勝・県環境森林部長は、大同特殊鋼が行っていたスラグの取引を、そう断じた。県は昨年1月に渋川工場などに立ち入り調査し、実態解明を進めてきた。
県の調査によると、渋川工場のスラグは2002年4月から、同社の子会社「大同原料サービス(現・大同エコメット)」(愛知県東海市)が購入していた。09年7月、地元の建設会社「佐藤建設工業」(渋川市小野子)も購入するようになった。2社は大同特殊鋼と委託や売買契約を結び、購入したスラグを加工した後、土木資材として出荷。県内の工事現場などで使われてきた。
スラグは無害であれば、土木資材として有効活用できる。実際、全国でも広く売買されている。一方、廃棄物とみなされれば、同法の規制対象となる。県が着目したのは、3社の金の流れだった。
大同特殊鋼は09年7月~12年6月、スラグを1トン当たり10円で大同エコメットに販売していた。大同エコメットはスラグを安定化処理した上で、佐藤建設工業に同100円で販売。佐藤建設工業が天然砕石と混ぜた後、路盤材として出荷していた。
一方、大同特殊鋼は、2社に「処理費」「販売管理料」などの名目で金を払っていた。その金額は、スラグの購入代金を大幅に上回るという。大同特殊鋼はスラグを販売していたのではなく、2社に金を払って処理させていた形となる。
こうした取引は「逆有償取引」と呼ばれており、スラグを廃棄物と認定する根拠となる。県の調査では、ほかの期間についても同様の取引形態だった。
2社は、鉄鋼スラグを廃棄物として処理する許可を得ていない。大同特殊鋼から委託を受け、廃棄物であるスラグを無許可で処理したなどとして、県は7日、3社を同法違反容疑で県警に刑事告発した。これまでの県の調査に対し、3社は「スラグは(廃棄物ではなく)製品だ」との見解を示しているという。
昨年1月に県の立ち入り調査を受けた後、大同特殊鋼は渋川工場のスラグの販売を停止した。記録が確認できる02年11月以降、販売されたスラグは29万4330トンに上る。
大同特殊鋼は11日、ホームページで「当局による捜査には誠実に協力する。今後も当該路盤材が使用された場所の特定や対応工事への協力を通じて会社としての責任を果たす」などとするコメントを発表した。
◆スラグ使用公共工事 93か所で基準超有害物質
大同特殊鋼の渋川工場から出荷された鉄鋼スラグは11日現在、県内225か所の公共工事で使われたことが確認されている。このうち93か所のスラグから、環境基準を超える有害物質「フッ素」や「六価クロム」が検出された。県は、民間や県外の工事も含めた使用箇所の特定を進めていく。
基準超えの有害物質が検出されたのは、長野原町の八ッ場ダム建設代替地や、渋川市の遊園地「渋川スカイランドパーク」駐車場近くの市道など。54か所では土壌汚染も確認された。地下水への影響は確認されていない。
県などはこれまで、有害物質を含む材料の撤去や立ち入り規制などの対策を実施。県は今後、民間工事について大同特殊鋼に調査と報告を求めたり、公共工事について市町村に調査を要請したりして、使用された場所の特定を進める。結果を公表し、環境への影響を監視していく。
有害物質の原因について、県廃棄物・リサイクル課は「渋川工場では純度の高い鉄を抽出するために、フッ素を含む材料を使っていたからではないか」と指摘する。
◆2015年9月12日 上毛新聞一面
ー大同特殊鋼を捜査 県警 鉄鋼スラグ不正処理疑いー
鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場(渋川市)から出た鉄鋼スラグが県内の公共工事で使われ、一部で環境基準値を超えるフッ素や六価クロムが検出された問題で、県警は11日、鉄鋼スラグを不正に処理していた疑いがあるとして、廃棄物処理法違反の疑いで、名古屋市の本社や同工場などを家宅捜査した。県警はスラグが再生資材ではなく、廃棄物に当たるとみており、スラグの処理や取引家庭の実態解明を進める。
家宅捜査されたのは同社をはじめ、子会社の「大同エコメット」(愛知県)、佐藤建設工業(渋川市)の関係先数カ所。
県警によると、大同特殊鋼は有害物質を含む鉄鋼スラグを、県から産業廃棄物処理の許可を受けていない子会社や業者と取引した疑いが持たれている。
大同特殊鋼は2002年4月から14年1月までの間、製鋼過程の副産物として出た鉄鋼スラグを建設資材として子会社などに販売する際、販売管理料などの名目で販売価格を大きく上回る金額を支払っていた。
こうした状況から、県は「名目上売買契約としているが、実態は廃棄物の処理委託だった」として、大同特殊鋼が廃棄物の引き取り代金を支払う「逆有償取引」をしていたと判断。今月7日に大同特殊鋼や子会社など3社と関係者を県警に刑事告発した。
スラグをめぐり行政が業者を刑事告発するのは全国初とみられる。
県の調査に対し、3社は「鉄鋼スラグは廃棄物ではなく、製品として取引していた」などと説明しているという。県警は押収した資料を調べるとともに、関係者から事情を聴くなどして容疑の裏付けを進める。
県内では14年1月に県が立ち入り検査を行うまで計29万トンのスラグが処理された。国が発注した国道17号上武道路や八ッ場ダム(長野原町)の代替地など公共工事225カ所で大同特殊鋼のスラグが使用され、うち93カ所で環境基準を上回るフッ素などが検出されている。
県は今後も使用箇所の解明を進めるが、現時点で周辺の地下水への影響は認められないとしている。
家宅捜査を受け、大同特殊鋼は11日、「捜査に誠実に協力し、(スラグが)使用された場所の特定や対応工事への協力を通じて会社として責任を果たす所存です。皆さまにあらためて深くおわび申し上げます」とのコメントをホームページで発表した。
◆2015年9月12日 上毛新聞社会面
ー県「廃棄物と判断」 大同特殊鋼の鉄鋼スラグ処理ー
鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場(群馬県渋川市)が排出した鉄鋼スラグを不正に処理したとされる問題は11日、県の刑事告発を端緒に、強制捜査へと発展した。県は昨年1月から実施してきた廃棄物処理法に基づく調査結果を公表し、告発に至った経緯を説明した。再生資材として使われるスラグを廃棄物として捉えるか県の判断が注目されたが、県は取引形態など複合的な観点から、有価物ではなく実質的に廃棄物に当たると判断。同社が県の許可を得ていない子会社などに不正な廃棄物処理を委託していたとの見解を示した。
県の調査によると、大同特殊鋼(名古屋市)は2002年4月から14年1月27日までの間、契約形態を変えながら、子会社の大同江コメット(愛知県)や佐藤建設工業(渋川市)に鉄鋼スラグを建設資材の原料として販売。その一方で、両社に販売管理者などの名目で購入代金を上回る金額を支払ってきた。
事件は13年6月に渋川市がスラグを使った公共工事から環境基準値を超えたフッ素や六価クロムが検出されたと明かしたことから表面化。県は14年1~2月、同法に基づき同工場やエコメット、佐藤建設工業に立ち入り検査を行うなど、3社の調査に乗り出した。
スラグは建設工事の再生資源として全国的に使われているため、有価物か廃棄物か「慎重な判断が求められた」(県幹部)といい、県は環境省と協議しながら1年余りにわたりスラグの取引価値の有無、排出の状況などを調べてきた。
スラグが製鋼の過程で排出されることや、販売側が費用を負担する逆有償取引が廃棄物の「引き取り代金」の性格を帯びることなどを勘案し、県は一連の契約を不適切な産廃処理の形態とみなした。
県は「3社とも『スラグは製品』と説明しているが、事実上の廃棄物の処理委託と判断できる」と説明。スラグの処分に関してエコメットと佐藤建設工業が県の許可を得ていないことから、同法違反の疑いがあるとして、県警への刑事告発に踏み切ったとしている。
大同特殊鋼から排出されたスラグは、国発注の国道17号上武道路や長野原町の八ッ場ダム、県や同市、水資源機構の関連工事で使われてきた。公共工事だけで225カ所に上り、うち93カ所で環境基準を上回るフッ素などが検出されている。
「会社から説明ない」 家宅捜査の渋川工場
大同特殊鋼渋川工場(渋川市)には11日午前10時半ごろ、県警の操作車両が次々に入った。車両は断続的に出入りし、午後5時20分ごろ、押収した資料を積んだトラックを先頭に、車両5台が工場を後にした。
勤務を終えた男性は「いつも通り操業しており、何が起きているのか分からない」と困惑した表情。別の男性は「会社から何も説明はない」と言葉少なだった。
大同特殊鋼が本社を置く名古屋市東区のビルでは、早朝から報道陣が集まり騒然とした雰囲気に。ビル内の別の会社に勤める50代の男性は「同じ建物に強制捜査が入るなんて」と驚きを隠せない様子で話した。
一方、鉄鋼スラグを仕入れていた佐藤建設工業(渋川市)にも同日午前から捜査員が入り、資料が入った段ボールを次々に運び出した。
◆2015年9月11日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150911-00000021-mai-soci
ー<有害スラグ>大同特殊鋼に強制捜査 廃棄物処理法違反容疑ー
大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題で、群馬県警は11日、同社の名古屋、東京両本社など関係先を廃棄物処理法違反容疑で家宅捜索した。群馬県は同日、大同などを同容疑で7日に刑事告発したと発表。鉄鋼スラグによる環境汚染に対する強制捜査は初めてで、有害な廃棄物を「建設資材」として販売した実態解明が進められる。
大同の入る名古屋市東区のビルでは午前9時15分ごろ、群馬県警の捜査車両とみられるワゴン車3台が地下駐車場に入った。東京都港区の東京本社が入るビルでも午前9時半ごろ、捜査員が段ボール箱を手に捜索に入り、社員らが不安そうに見守っていた。大同は同日、「捜査等に誠実に協力する。ご心配やご迷惑をかけたことを深くおわびする」などとするコメントを発表した。
スラグは鉄精製時に生じる副産物で、有害物質が含まれていなければ再生利用できる。関係者によると、大同は2009~14年ごろ、渋川工場から排出されたスラグを建設資材として渋川市の建設会社に販売する際、販売額以上の金額を「販売管理費」名目で支払う「逆有償取引」をしていた。スラグには環境基準を超える有害物質「フッ素」が含まれていると知りながら、大同は出荷。こうした取引は建設資材を装った廃棄物処理に当たるとして、県は廃棄物処理に必要な許可を受けていない大同と建設会社に廃棄物処理法違反の疑いがあるとして7日付で刑事告発した。
11日に記者会見した群馬県の青木勝・環境森林部長は「スラグの使用箇所の解明を進め、環境への影響も監視していく」と話した。
この問題では、同県長野原町の八ッ場ダム建設予定地から立ち退いた住民の移転代替地や国道17号バイパスに環境基準を超えたフッ素を含むスラグが使われていたことが毎日新聞の調べで判明。一部では毒性の強い六価クロムも検出され、国や自治体などによる検査や撤去が進んでいる。【尾崎修二、谷口拓未、田口雅士】
◆2015年9月11日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASH9C343NH9CUHNB002.html
ー大同特殊鋼を家宅捜索 無許可で廃棄物処理関与の疑いー
群馬県渋川市にある大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(本社・名古屋市)の工場が出荷し、県内の工事で使われた鉄鋼スラグの一部から基準値を超える有害物質が検出された問題で、許可なく廃棄物の処理に関わったとして、群馬県は11日、廃棄物処理法違反の疑いで同社などを告発したと発表した。
県警は同日、同法違反容疑で本社や工場などに家宅捜索に入った。
県は、鉄鋼スラグには環境基準を超える六価クロムやフッ素が含まれていたことなどから、「建築資材ではなく廃棄物にあたる」と判断した。
この問題は2013年6月、県内の道路工事などで撤去したスラグから六価クロムやフッ素が検出されたと、渋川市が議会で報告したことなどから発覚。その後、八ツ場ダム関連の工事などでも基準値を超える有害物質が検出された。県は14年1月、廃棄物処理法に基づいて工場を立ち入り検査した。
同社は「警察の捜査には真摯(しんし)に対応してまいります」とコメントしている。
◆2015年9月11日 NHK前橋放送局
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150911/k10010228161000.html
ー鉄鋼スラグに有害物質 群馬県が鉄鋼メーカーを告発ー
群馬県渋川市にある大手鉄鋼メーカーの工場が、建設現場の資材として出荷した「鉄鋼スラグ」から有害な物質が検出された問題で、群馬県は廃棄物を違法に処理していたとして、この会社を告発し、警察が廃棄物処理法違反の疑いで捜査を進めることにしています。
群馬県によりますと、大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川市の工場が出荷した「鉄鋼スラグ」は、群馬県長野原町にある八ッ場ダムの住宅代替工事の整地などで建設資材として使用されていました。
しかし、国が調査したところ、27か所の現場で環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出されたということです。
県は「環境基準を超える有害物質が含まれている以上、建築資材ではなく廃棄物に当たる」と判断し、大同特殊鋼が許可のない業者に廃棄物の処理を依頼していたとして、10日までに警察に告発しました。
これを受けて、群馬県警察本部は廃棄物処理法違反の疑いで捜査を進める方針で、出荷の経緯などを詳しく調べることにしています。