八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

リスク管理を理由に延命される水資源開発

 さる1月24日、国土審議会 水資源開発分科会 調査企画部会が開かれ、その配布資料が国交省のホームページに掲載されましたので、お知らせします。

★国土交通省ホームページより
 「第18回(リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について第1回)」
 http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/water02_sg_000063.html

 八ッ場ダム事業推進の装置となった水資源開発基本計画(フルプラン)は、ダム計画の上位計画になります。
 水需要が減少の一途をたどる現在、目的が失われた水資源開発促進法とそれに基づく全国8水系のフルプランも廃止されるべきなのですが、国交省はリスク管理という方向性を示して、フルプランを延命させる方策をまとめようとしています。それがこの調査企画部会の会議の目的です。

 八ッ場ダムが初めてフルプランに組み込まれたのは1976年のことです。当時、ダム予定地域の住民はこれに反発し、反対署名を提出。フルプラン説明会をボイコットして抵抗しましたが、国は住民の声を無視してフルプランを策定しました。このことは、地元住民による八ッ場ダムの反対運動が崩壊し、あきらめが地元を支配する一つのきっかけになりました。
 現在の利根川・荒川水系等のフルプランは、目標年次が2015年度で、すでに期限切れになっているのですが、いま頃になって延命策がつくられようとしています。
 フルプランはダム計画の利水面での上位計画であるにもかかわらず、期限切れのままになっているのですから、国の水行政は随分といい加減なものです。

★国土交通省ホームページより
 「水資源開発基本計画(フルプラン)」
 http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk2_000005.html

 「利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画」
 http://www.mlit.go.jp/common/001021585.pdf