国交省中部地方整備局は設楽ダムの本体工事を施工するため、豊川の水をトンネルで迂回させる「転流工事」の着工式典を開催すると発表しました。設楽ダムの完成予定は平成38年度となっています。
★国交省中部地方整備局サイトより
http://www.cbr.mlit.go.jp/shitara/kisha/pdf/H290529_shikiten.pdf
1.日時 平成 29 年 6 月 3 日(土) 10 時 30 分~
2.場所 設楽町ふれあい広場 多目的広場屋内コート(愛知県北設楽郡設楽町田口字後口4番地4)
以下略
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しかし、このダムの建設予定地では、最近になって活断層の疑いの濃い東西方向の断層がみつかり、工事着工の見通しが立っていないということです。
「設楽ダムの建設中止を求める会」のフェイスブックには、現地の最新の状況を伝える写真や資料が掲載されています。
https://www.facebook.com/NOdam.sitara/
右の写真や以下の資料を同会の許可を得て、紹介させていただきます。
http://www.rokujogata.net/nodam/wp-content/uploads/2016/09/GEOGUIDE2001.pdf
「設楽ダム予定地周辺の地質ガイドⅡ」
現在、国が全国各地で進めている八ッ場ダム等と同様、設楽ダムも受益者とされる流域住民から建設目的がおかしいと批判を浴び続けています。
設楽ダムに多額の負担金を支払わされる愛知県のホームページに、設楽ダムの概要が掲載されています。
http://www.pref.aichi.jp/soshiki/tochimizu/0000079397.html
上記ページに掲載されている、「設楽ダムの規模」(以下の表)を見ると、設楽ダムの総貯水容量は9,800万立方メートルですが、そのうち実に6,000万立方メートルが「流量の正常な機能の維持容量」です。
一般には使われない「流量の正常な機能の維持」という用語は、最近は八ッ場ダムを含む全国のダム建設の目的に登場します。
国交省の用語解説によれば「流量の正常な機能の維持」とは、渇水で水の流れが少なくなった時にも、水が多く流れていた時に貯めたダムの水を放流して、河川に流れる「正常流量」を確保する働きです。一見、河川環境に配慮しているように見えますが、川の本来の姿はダムに遮られることなく水が流れている状態です。「流量の正常な機能の維持」の実態は、人口減少による水需要の低迷で不要となったダム建設の目的を穴埋めすることです。
ダムによる河川環境の破壊が甚大であることは、言うまでもありません。豊川が注ぐ三河湾は、今では国内唯一のアサリの産地ですが、設楽ダムによって産地が消えると言われています。造ることだけが目的となっているダム建設のために、私たちはかけがえのないものをまた一つ失うことになります。
⇒国交省の用語解説 http://www.skr.mlit.go.jp/yamatosa/qa/qa1/5.pdf
★「設楽ダムの建設中止を求める会」による抗議声明
https://yamba-net.org/wp/?p=21617
「設楽ダムの建設中止を求める会」では現在、ダム事業からの撤退を求める署名への協力を全国に呼びかけています。是非ご署名ください。
http://ur0.biz/DRcd