2014年9月12日に提出した「八ッ場ダム・上湯原地区代替地の整備に鉄鋼スラグが使われたことによるJR吾妻線・川原湯温泉・新駅付近の鉄道運行の安金性に関する公開質問書」について、国交省関東地方整備局よりファックスで以下の回答がありましたので、お伝えします。
なお、この公開質問書はJR東日本高崎支社にも提出しました。国交省関東地方整備局と同様、文書での回答を求めていますが、回答文は届いていません。
公開質問書全文は、こちらに掲載しています。
https://yamba-net.org/wp/?p=8703
国交省の回答に対する当会のコメントを以下に掲載しています。
https://yamba-net.org/wp/?p=9461
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国土交通省関東地方整備局よりの回答
平成26年10月15日
八ッ場あしたの会 代表世話人 殿
国土交通省八ッ場ダム工事事務所 所長 矢崎 剛吉
国土交通省高崎河川国道事務所 所長 信太 啓貴
通常、土木材料で用いる鉄鋼スラグについては、膨張に対する安定化処理を行う等、構造物への影響が生じない材料を用いています。従って、公開質問書にある「鉄鋼スラグの膨張により、構造物が変形していく」との推測の根拠が不明であることを前提としてお答えいたします。
1 J尺吾妻線・川原湯温泉・新駅付近の線路の山側に設置された擁壁の規模とエ事期間 について
2 上記の擁壁エ事の工事業者について
4 上記の擁壁工事の裏込砕石に使われた再生砕石について
お尋ねの擁壁については、質問書の(写真1)からは、川原湯温泉駅(線路付替後の駅を指す。以下同じ)の跨線橋から横壁方面にかけて綿路の山側に設置されている擁壁であると推察されます。川原湯温泉の跨線橋から横壁方面にかけて線路の山側に設置されている擁壁とすれば、当該擁壁のエ事名、受注者、工期、擁壁の長さ、擁壁の高さは次のとおりです。また、当該擁壁の設計図書において「裏込砕石」という記載はございません。
なお、壁背面砕石に使用した砕石は、受注者から提出された書面によると再生砕石(コンクリート塊を破砕した砕石)又は山砕(砂利採取場で採取した砕石)を用いることとしており、鉄鋼スラグを用いることとしておりません.
H22上湯原地区代替地整備工事
受注者;都建設(株)
工期:平成23年3月9日~平成24年3月31日
擁壁の長さ;約131m
擁壁の高さ:約0.7m~約8.9m
H23上湯原地区代替地他整備工事
受注者;岩崎工業(株)
工期;平成24年3月1日~平成25年3月25日
擁壁の長さ; 約57m
擁壁の高さ:約2.1m~約4、7m
H25上湯原地区代替地他整備工事
受注者、(株〉佐藤建設工業
工期:平戒26年2月4日~平成26年11月30日
擁壁の長さ : 約156m
擁壁の高さ:約6.4m~約7.9m
※1 擁壁の深さは、擁壁の高さに含まれる。
※2 壁背面砕石は、設計図書において「補強土壁工」に一括して計上しており、壁背面砕石の使用量を切り出しでお示しすることは困難。
なお、質問書の「4」に記載されている、「別紙の資料1」に示されたH24 上湯原地区代替地他整備エ事は、付替鉄道に隣接した工事ではなく、「その3枚目の工事擁壁の断面図」に示された擁壁の構造は付替鉄道に設置されている擁壁の構造と異なります。
3 上記の擁壁工事の裏込砕石の納入業者について
工事に使用する材料の納入業者については、工事の受注者と材料の納入業者との間の契約によるものであり国土交通省は関与するものではなく、お答えは差し控えさせて項きます。
5 国道17号バイパスの前橋市上細井町付近の擁壁が盛り上がっていることについて
国道17号パイバスの前橋市上細井町付近の擁壁(補強土壁) については、現地調査の結果、施工時から大きな変化は見られず、ご指摘のような状況は見受けられませんでした。
なお、擁壁(補強土壁)の背面砕石として鉄鋼スラグを含む砕石を使用していますが、それ以外の盛土は山砕を使用しています。
工事に使用する材料の納入業者については、工事の受注者と材斜の納入業者との間の契約によるものであり国士交通省は関与するものではなく、お答えは差し控えさせて頂きます。
6 付替国道145号線・茂四郎トンネル上流側の道路表面の凹凸について
工事に使用する材料の納入業者については、工事の受注者と材料の納入業者との間の契約によるものであり国土交通省は関与するものではなく、お答えは差し控えさせて頂きます。
また、既に公表しているとおり、茂四郎トンネ/レ上流側の工事では路盤材に鉄鋼スラグを含む砕石を使用しています。道路表面の凹凸が生じた原因を、ご指摘のように鉄鋼スラグを含む砕石が使われたことと特定する根拠が不明です。
7 JR吾妻線川原湯温泉・新駅付近の鉄道運行の安全性について
「1,2及び4」でお答えした工事については、受注者から提出された書面によると、鉄鋼スラグを用いることとしておりません。
なお、現時点において、ご質問の擁壁の全区間にわたり、工事完了後、特段の異常は見受けられません。