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常総市水害・被害者の会、国交省と交渉

 昨年9月の関東・東北水害の被災者らでつくる「常総市水害・被害者の会」が昨日、国交省との交渉を行いました。
 元旧建設省土木研究所次長の石崎勝義さん、水問題研究家の嶋津暉之さんが被害者の側に立って専門家の見地から国交省の姿勢を質したことが報道されています。
 関連記事を転載します。

◆2016年5月12日 東京新聞茨城版
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201605/CK2016051202000180.html
 ー常総市水害・被害者の会 「決壊防止へ最大限努力を」ー

 昨年九月の関東・東北水害の被災者らでつくる「常総市水害・被害者の会」は十一日、東京都千代田区の衆院第二議員会館で、国土交通省と交渉をした。新たに整備する堤防の決壊防止策を求めたほか、国の責任を追及した。

 会のメンバーら約三十人が訪れ、元旧建設省土木研究所次長で工学博士の石崎勝義さん(77)、ダム問題に取り組む市民団体「水源開発問題全国連絡会」の嶋津暉之共同代表も参加した。

 石崎さんは、水害を受けて鬼怒川に整備する堤防について「陸側の傾斜面を(水の浸透を防ぐ)シートで覆わなければ、越水が起きた時に再び決壊する」と指摘。「なぜこんな簡単なこともしないのか。決壊を防ぐ最大限の努力をしてほしい。局長や大臣に報告して考えてもらいたい」と訴えた。

 国交省の担当者は「まずは同規模の雨で洪水が起きないように、緊急的に優先的にやっている」などと答えた。

 メンバーらは、水害が起こるまでの国交省の対応についても質問。被害者の会共同代表世話人の逆井正夫さん(67)は交渉後、「若宮戸地区に堤防がない危険性を住民が訴えていたのに、霞が関は知らなかったでは済まされない。損害賠償を求めるべきだ」と話した。 (宮本隆康)

◆2016年5月12日 茨城新聞
 http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14629765048534
ー鬼怒川決壊 堤防の着実整備 国交省に要望 常総水害・被害者の会ー

 昨年9月の関東・東北豪雨による鬼怒川堤防決壊の被害者らでつくる「常総市水害・被害者の会」は11日、国会内で国土交通省の担当者らに堤防の着実なかさ上げ整備などを求めた。
 同会は同市三坂町の決壊箇所や、水があふれ出た同市若宮戸などでの早期の堤防整備のほか、各所で起きた水害の原因や責任を明らかにするよう強調した。
 同会の逆井正夫共同代表世話人は「(堤防決壊の原因などについて)国の対応は曖昧なところが多い」と話した。

◆2016年5月12日 しんぶん赤旗
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-12/2016051204_02_1.html
ー堤防強化で再発防止を 茨城・常総水害 被害者ら国交省にー

 昨年9月、鬼怒(きぬ)川の堤防決壊による水害で甚大な被害を受けた茨城県常総市の住民らが11日、日本共産党の塩川鉄也、梅村さえこ両衆院議員とともに、国土交通省に水害の再発防止などの対策を要請しました。

 申し入れたのは「常総市水害・被害者の会」の代表ら約30人。整備計画に基づく鬼怒川の改修工事について、堤防の質的強化など「再び決壊を起こさない、安全な堤防を」と求めました。

 太陽光パネル設置に伴う自然堤防の掘削で若宮戸地区の洪水被害が拡大した問題では、同地区の住民らが、国交省関東地方整備局の「鬼怒川直轄河川改修事業」(2014年10月)で若宮戸地区を河川改修の対象から外した理由を問いました。

 応対した国交省の担当者は「同地区での掘削を受け、どう堤防を整備するか検討中だった」と回答したのに対し、参加者から「後付けではないか」と声が上がりました。

 堤防が大規模に決壊した三坂地区について、水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津暉之氏は、決壊箇所の堤防の高さが周囲より一段と低かった点など、対策を取らなかった国の責任をただしました。

 塩川氏は「国は水害の原因究明とともに、堤防強化など住民の暮らしの安心のために迅速な対策を取ってほしい」と求めました。

 日本共産党の山中たい子、上野高志の両茨城県議と常総市議団、民進党衆院議員の秘書が同席しました。

—転載終わり—

《参考ブログ記事》
「鬼怒川の堤防決壊はなぜ起きたのか」(石崎勝義氏による緊急報告)
「鬼怒川水害と行政の責任」