八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム本体工事の施工計画書、情報開示に60日

 八ッ場ダムの本体工事については、不明なことが少なくありません。
 八ッ場ダム事業を進める国土交通省関東地方整備局に一か月前の11月19日付けで情報開示請求した施工計画書(「八ッ場ダム本体建設工事に関して清水・鉄建・IHI異工種建設工事共同企業体が本年11月に提出した施工計画書の一式」)について、関東地方整備局より開示遅延の連絡がありました。
 情報開示にかかる日数は普通は30日間ですが、最長の60日間にしてほしいとのことです。

 八ッ場ダムの本体建設工事については、11月20日に関東地方整備局が報道関係者向けに現地で説明会を行い、その内容がマスメディアで取り上げられましたが、疑問点が多いことから、当会では12月9日付で関東地方整備局に公開質問書を提出しています。
(なお、本日12月19日が公開質問書の回答〆切日でしたが、関東地方整備局河川計画課より、「質問内容を確認しており、回答までに時間がかかる」との連絡がありました。

★関東地方整備局による11/20の報道関係者向け説明会の内容
 https://yamba-net.org/wp/?p=9705

★八ッ場ダムの本体工事の工期に関する公開質問書
 https://yamba-net.org/wp/?p=9978 

 施工計画書は八ッ場ダムの本体工事をどのように進めるかを施工業者(清水・鉄建・IHI異工種建設工事共同企業体)が公式に示しているものです。年明け1月には八ッ場ダムの本体工事が着工されることになっており、現時点で情報開示をなぜ1カ月も延期するのか不可解です。

 本体工事は冬期も実施されることになっていますが、現地では雪が積もり始めています。

 吾妻渓谷の上流端、八ッ場ダム本体工事予定地の左岸側で行われている本体工事の準備工事現場
 川原畑地区・八ッ場(吾妻渓谷の山中に造られた付け替え国道のトンネル出口付近
 
本体左岸shuku

 川原畑地区の対岸の川原湯地区・大栃沢周辺では、本体工事予定地の右岸側の山の中腹に道路をつくる工事が延々と続いています。これも本体工事の準備工事の一つです。工期はすでに延長されていますが、工事看板に書かれている工期(平成26年12月11日)を過ぎる中、工事が行われています。
 工事現場の脇には、川原湯地区の共同墓地があります。

「新しい道路を造る工事」shuku

 同じく、川原湯地区の打越代替地には、本体工事の施工業者の大きなプレハブの事務所が二棟建てられました。対岸の付け替え国道から川原湯温泉へのアクセス道である八ッ場大橋(湖面1号橋)のたもと付近。

本体工事施工業者の事務所

 国の名勝・吾妻渓谷にある八ッ場ダムの本体工事予定地を上流側から俯瞰した写真です。
 手前の方に、9月に廃線になったJR吾妻線の鉄橋があります。この付近が吾妻渓谷の上流端です。
 吾妻渓谷の見晴らし台のある小蓬莱は、ダム本体が造られる地点の直下に、吾妻川の流れを遮るように聳えています。ダム堤はこの小蓬莱の山頂より約30メートル高くなるとのことです。

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