昨年9月の鬼怒川洪水による二次的な氾濫で大きなな被害が起きた八間堀川を含む利根川支川の指定区間について、茨城県が河川整備計画変更原案を示し、意見募集を下記のとおり行っています。
●茨城県の公式ホームページより
・利根川圏域河川整備計画(変更原案)の縦覧とご意見の募集について
http://www.pref.ibaraki.jp/doboku/kasen/keikaku/h27seibiplan_tone_juran2.html
・「利根川圏域河川整備計画(変更原案)」
http://www.pref.ibaraki.jp/doboku/kasen/keikaku/documents/h27tone_tagawa.pdf
鬼怒川については、すでに国交省関東地方整備局が昨年9月洪水を念頭に置いた河川整備計画原案を示し、意見募集と公聴会の開催を行いました。茨城県でも指定区間(県管理区間)について、昨年9月洪水を念頭においた河川整備計画に変えようということです。
八間堀川は普段はわずかな流量しか流れていませんが、昨年9月洪水では鬼怒川から氾濫した水が流入して下流部で水位が上昇し、氾濫しました。
氾濫が大きく拡大したのは、新八間堀川の水を鬼怒川に排出する八間堀川排水機場(国交省が管理)を(鬼怒川の水位上昇を理由に)9時間20分も停止し、八間堀川の出口をなくしてしまったことにあると考えられます。八間堀川排水機場のポンプ能力は30㎥/秒ありますので、9時間20分の運転停止で約100万㎥(東京ドームの容積の8割)の水が排出されませんでした。
当時、鬼怒川の水位はこの付近ではまだ余裕がありましたので、国交省の判断ミスが問われる問題ですが、今回示された河川整備計画(変更原案)では、当然のことながらこの問題には何も触れていません。
この原案には洪水の目標流量について「概ね年超過確率1/10の洪水を安全に流下させることを目標とする。」と書かれており、国交省が鬼怒川河川整備計画原案について示した目標の洪水規模1/45とはかなりの差があります。
なお、この1/45は昨年9月洪水と同規模ということですが、その算出根拠は明らかにされておらず、どこまで科学的であるのか不明です。茨城県は23億円の費用をかけて八間堀川の河道整備を行うことになっています。