八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

国交省が八ッ場ダム関連工事の視察会

2013年1月29日

 昨日、国交省現地事務所と群馬県が八ッ場ダム関連の工事現場をマスコミに公開し、夜のNHKのニュースで報道されました。同様のニュースは、今朝の群馬版の紙面でも取り上げられています。
 工事現場と言っても、JR川原湯温泉駅前の湖面橋や新駅周辺、道の駅の施設など、いずれも現地に行けば誰でも見られる場所です。厳寒の今の時期にわざわざマスコミ向けの現地説明会を実施したのは、八ッ場ダム本体工事着工をめざす国交省が、関連工事という既成事実をPRするためなのでしょう。
 八ッ場の関連工事は、工期の延長と事業費の増額を繰り返しているだけでなく、安全性や今後の利活用において多くの問題を抱えており、ダム事業の矛盾をそのまま体現しているのですが、、国交省はそうした事実に触れたがりません。

◆2013年1月29日 上毛新聞
http://www.raijin.com/ns/7013594395458767/news.html
(ネット記事では、途中が省略されています。)

 -八ツ場の景色 刻々と 関連工事の現地視察会ー

 八ツ場ダム(長野原町)関連工事について、国土交通省八ツ場ダム工事事務所と県は28日、報道関係者向けに現地視察会を行い、進捗しんちょく状況を説明した。一昨年12月にダム建設継続が決まったものの、本体工事は動きがないまま年度末を迎えようとしている。一方で生活再建関連工事は進み、八ツ場の景色は刻々と変化している。

 ダム予定地から約1㌔上流で工事が進められているのが「湖面1号橋」(県道川原畑大戸線)。水没予定地の川原湯地区と川原畑地区の移転代替地を結ぶもので、延長494㍍。橋自体は2013年度中に完成する予定だが、代替地に進入道路を整備するため、供用開始は14年度になる見通し。
 
 これまでに橋脚などが完成し、現在はそれぞれの橋脚を起点に橋を左右に延ばす工事が行われている。川原湯、川原畑両地区はもともと吾妻川を挟んで近接していたが、代替地を行き来するには現状で約5㌔迂回する必要がある。1号橋は、引き離された地域を再び結びつなぐ狙いもある。

 JR吾妻線の新川原湯温泉駅(仮称)は、駅舎の基礎工事が始まった。14年2月ごろの完成予定だが、供用開始は未定。ホームや周辺のレール敷設はほぼ完了している。

 林地区に今春開業する道の駅「八ツ場ふるさと館」は内装に着手している。周囲の自然に溶け込む落ち着いた色合いの建物で、大きなガラス窓からは不動大橋(湖面2号橋)を望む。四季折々の自然を楽しめる観光スポットとしても人気を集めそうだ。

◆2013年1月29日 読売新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130128-OYT8T01667.htm

 -八ッ場工事の進捗状況公開ー

 八ッ場ダム(長野原町)の報道機関向け現場見学会が28日行われ、ダム造成に伴って建設中の湖面1号橋や吾妻線の新駅、道の駅「八ッ場ふるさと館」の工事進捗(しんちょく)状況などが公開された。

 水没する川原湯、川原畑の両地区の代替地を結ぶために造られている湖面1号橋(494メートル)は、完成している4本の橋脚から橋げたを延ばす工事に移っている=写真=。川原畑側の進捗状況は45%、川原湯側は60%。9月末には橋げた全てがつながり、11月末までに橋が完成する予定という。

 水没する川原湯温泉駅の代わりの新駅は、昨年末ホームが完成。現在は鉄骨平屋駅舎を工事中で、ホームと駅舎を跨(こ)線橋で結び、2014年に完成する。林地区に建設中の道の駅は木造一部2階建てでコンビニや足湯、会議室などを備えて春にもオープン予定だ。同ダム工事事務所の津久井俊彦副所長は「地元住民の生活再建につながる工事は順調に進んでいる」と話した。