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昨秋の鬼怒川水害、災害関連死6人認定で弔慰金支給へ

 昨年9月の鬼怒川の水害では、お二人の方が亡くなられました。その後も被災により、亡くなられた方が少なからずおられるということです。
 今回、そのうちの6人について、地元の茨城県常総市が初めて災害関連死と認定し、弔慰金を支給することになりました。
 利根川水系では、八ッ場ダムやスーパー堤防など、巨額の予算がつく大規模事業が進められている一方で、予算がそれほどかからない堤防整備などは後回しにされているのが実状です。昨年9月の大雨では、鬼怒川で堤防が決壊し、大きな被害をもたらしました。
 
 関連記事を転載します。

◆2016年12月17日 茨城新聞
 http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14818973997938
ー鬼怒川決壊 常総市が災害関連死6人認定で弔慰金支給へー

 常総市は16日、昨年9月の関東・東北豪雨に伴う鬼怒川決壊などの大規模水害による災害関連死として6人を認定したと発表した。
 同水害による関連死の認定は初めて。災害弔慰金支給法に基づき、それぞれの遺族に最大500万円が支給される。
 関連死と認定されたのは男性4人、女性2人(50?90代)。いずれも水害で自宅が大規模半壊、または半壊する被害に遭い、自宅や避難先で体調を悪化させるなどした。
 昨年9月から今年2月の間に、急性心不全や肺炎などのため入院先で死亡した。

 常総市は今春、8人の遺族から関連死の疑いがあると申し出を受けていた。医者や弁護士で組織する災害弔慰金支給等審査委員会が水害との因果関係を調べ、11月末に審査結果を市に答申した。
 今回の認定を受け、遺族には来年1月に災害弔慰金が支払われる見通し。市の担当者は「6人はいずれも、水害の影響で生活環境が悪化し、体調を崩して亡くなった」としている。

 災害関連死は、地震や津波、豪雨といった自然災害による建物の倒壊で死亡するなど直接的な理由とは別に、避難生活に伴うストレスによる体調悪化や過労など間接的な原因で死亡するケースを指す。
 一定規模以上の災害では、直接死と同様に災害弔慰金が遺族に支払われる。家計を支えていた人は500万円、それ以外の人は250万円を支給。遺族の申請を受けて市町村が認定する。

 市は引き続き、災害関連死の疑いのある死亡について申し出を受け付け、その都度審査する方針。  (今橋憲正)