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米国最大のダム放水路 宇宙からもわかる崩壊の凄まじさ「復旧の見通し立たず」

 米国最大のオロヴィル・ダムの緊急排水路に穴が開き、決壊の危険があるとして、周辺住民20万人近くが緊急避難してから一ヶ月。危機は脱したものの、カリフォルニア州では洪水対策に500億円近くの拠出が必要となり、トランプ知事は補助金拠出を承認したと報道されました。
 https://yamba-net.org/wp/?p=20145

 その後の状況を伝える記事と当時の記事を参考までにお伝えします。

◆2017年3月6日 ハザードラボ
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/9/19315.html
ーダム放水路 宇宙からもわかる崩壊の凄まじさ「復旧の見通し立たず」米国ー

 米国最大の「オロヴィル・ダム」の緊急排水路に穴が開き、決壊の危険があるとして、付近住民が緊急避難する事態に発展したニュースは、当ハザードラボでも先月お知らせしたばかり。

 カリフォルニア州の水資源局(DWR)は今月4日(現地時間)、緊急排水路の現状を公開し、復旧作業には相当の時間がかかることを明らかにした。ダムの異変は、400キロ上空の国際宇宙ステーションからもハッキリ確認できるという。

 カリフォルニア州北部にある「オロヴィル・ダム」では、今年1月から降り続いた雪や雨の影響で、ダム湖に流れ込む三本の川の水量が急激に増え、決壊寸前の危険水位に達した。そこで、水資源局は先月11日、緊急排水路からの放水を決断。

 ところがダムが完成した1968年から半世紀近くの間、一度も使われることがなかった排水路に巨大な穴が開いていることが判明したことから事態は一転、排水路そのものが崩壊する危険性が高まった。

 州政府は一時期、ダム周辺に暮らす住民20万人近くに避難勧告を発令したが、結果として排水路は決壊の危険を回避。

しかし水圧による爪痕は凄まじく、放水路の下半分のコンクリートがえぐられて、土砂やがれきを押し流し、周辺の景色を一変させた。現地ではすでに1週間近く撤去作業が続いているが、復旧の見通しは全く立っていない。

◆2017年2月14日 ハザードラボ
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/9/19053.html
ーダム放水路が決壊の危機!約20万人に避難勧告 カリフォルニアー

 カリフォルニア州北部にある米国最大の「オロヴィル・ダム」の緊急排水路に巨大な穴が開いているのが見つかり、このままでは決壊するおそれがあるとして、今月12日、周辺住民20万人近くに避難勧告が出された。

 カリフォルニア州の水資源局(DWR)によると、穴が見つかったのは今月7日。穴の浸食は次第に進み、最終的に水路の横幅いっぱいまで広がった。

 しかし、1月から降り続いた雪や雨で、ダム湖に流れ込む三本の川の水量が急激に増え、ダムの水位が危険水位に達したことから、水資源局は2月11日、ダムが完成した1968年以来初めて、緊急排水路の使用を決断。

 毎秒10万立方メートルの水が猛烈な勢いで排出されることで排水路そのものが決壊するおそれがあるとして、カリフォルニア州知事は、ユバ郡、サッター郡など周辺住民19万人余りに避難勧告を発令。

 13日の発表では、今もなお毎秒10万立方メートルの放水が続いているが、ダム湖の水位はかなり下がっていて、水資源局では、浸食した穴を塞ぐ準備を進めているという。

 米国防総省は13日、「ダムの水位は下がっているとはいえ、今週末に再び雨が降る予報が出ている。米軍は24時間体制で住民の避難支援にあたる準備を進めている」と発表した。