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「八ッ場ダム建設、分譲基準で合意」(讀賣新聞)

2005年9月8日 讀賣新聞群馬版より転載

「八ッ場ダム建設、分譲基準で合意書 国交省と住民側が調印」

 長野原町の八ッ場ダム建設で、国土交通省と水没5地区の代替地分譲基準連合交渉委員会(萩原昭朗委員長)は7日、移転代替地の分譲基準に関する合意書に調印した。2003年12月に同省が基準案を提示してから1年8か月で正式に交渉が終結し、今後は代替地への移転者の確定など具体的な生活再建に焦点が移る。ただ、交渉の長期化などから住民の町外移転が進んでおり、造成範囲などの見直しは必至だ。

 調印式は同町与喜屋の「若人の館」で行われ、小寺知事の立ち会いのもと、萩原委員長と門松武・同省関東地方整備局長が合意書を取り交わした。

 関係機関や住民ら約350人が出席した報告会で、萩原委員長は「(分譲価格に)すべて納得したわけではないが、今後も互いに助け合い、子孫に誇れる古里を作っていこう」と述べた。門松局長は「一日も早い生活再建が図れるよう、誠心誠意対応したい」と強調した。

 安田吾郎・同ダム工事事務所長は記者会見で、現在実施中の住民意向調査で代替地への移転希望者が当初見込みより少ない場合の対応について、「今の時点では何も定まっていないが、整備範囲は(今後の)調整の対象になる」と述べた。

 住民の地区外移転が相次ぐなか、調査結果を踏まえて造成地区や面積の見直しを行う考えを示したものだ。ダム本体工事については「07年度着工、10年度完成」との見通しを改めて示した。

 第1期分譲は、川原湯地区の移転先となる打越地区代替地など、造成が進んでいる地区から今年度末にも始まり、第2期(06年度)、第3期(07年度)と順次続く予定。ただ、調査結果次第では、造成が遅れている地区を中心に面積縮小や中止など大幅な見直しの可能性もある。同省は10月上旬をめどに調査結果の取りまとめを急ぐ方針だ。

 分譲基準を巡っては、同省の提示価格を不満とした交渉委の要望、回答のやりとりが計4回に及び、2度の価格引き下げと2度の“ゼロ回答”の後、今年5月に価格面で合意。運用基準についても7月にまとまっていた。