八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

訴訟一周年集会アピール採択

2005年11月27日
 東京・大塚において、八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会主催による住民訴訟一周年集会が開かれ、集会アピールが採択されました。

■集会アピール■

 昨年11月、私たちは群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京の6都県で、同時に裁判を始めました。1都5県での裁判の目的は、八ッ場ダムをはじめとする無駄なダム計画を中止することです。

 私たちが八ッ場ダム計画の中止を求める理由は以下の4点です。
 第1に利水面ですが、人口がこれから減って水需要もますます小さくなっていく時代において八ッ場ダムをはじめ、新たなダムは全く不要です。

 第2に、利根川では、森林の保全と堤防の整備を進めれば、大洪水への対応が十分に可能であって、治水面でも役に立たない八ッ場ダムを建投する必要がありません。

 第3に、八ッ場ダムの事兼費が2110億円から2倍超の4600億円へと大幅に増額されたことにより、国民は元利合計で9000億円という巨額の費用を負担しなければなりません。このように当初予算を小さくしてその後に追加して予算を膨らます「小さく生んで大きく育てる公共事業」の常套手段を認めることはできません。

 第4に、八ッ場ダムの建設により、吾妻川の豊かな自然が破壊され、災害誘発の危険性など、多くの災いがもたらされます。

 そして、この無用なダム計画により最も被害をこうむってきた地元の人々を救済する必要があります。現地再建方式による代替地は異常に高く、建設も大幅に遅れ、住民の半数がすでに見切りをつけ、他所に移転してしまいました。かつてのコミュニティーは崩壊の危機にあります。これ以上現地の人たちの苦悩を長引かせないためにも、本体工事の始まる前に、一刻も早くダム計画を中止し、生活再建策を講じなければなりません。

 さて、1年間裁判を続けてきて、私たちの主張も行動も正しかったとの確信を深めています。
 6カ所の裁判を通じて、被告である1都5県に共通しているのは誠意の欠落です。いずれの被告も、私たちの主張こ対して真正面から答えようとしません。裁判のテクニックにより、私たち原告の主張から身をかわすことしか考えていないことが明らかになってきています。一部には、私たちのホームページへの裁判資料の掲載を中止させようという、時代錯誤の動きさえもあるのです。

 裁判勝利までには、多くの方々の協力と支援が必要です。より広い世論の支持を集めて頑張り抜き、必ず勝利することを主音して集会アピールといたします。

 2005年11月27日

             住民訴訟1周年集会参加者一同