全国トップの事業費をかけても、周辺工事が難航し、八ツ場ダムの予算は足りないようです。地元の長年のダム闘争が終息し、八ッ場ダム問題はもう終わった、という人もいますが、現地の状況を見ると、今後、問題が更に深刻化することは火を見るより明らかです。
2005年11月29日 上毛新聞より転載
「八ッ場ダムで県移転先の整備促進へ 」
国土交通省が長野原町に建設する八ツ場ダムで県は二十八日、水没住民の移転先となる代替地を国に代行して先行取得する方針を決め、不動産取得に関する議案を県議会十二月定例会に提出することを議会運営委員会に内示した。
代替地整備を促進して現地生活再建を支援する考えで、取得面積は上限六万三千七百九十四平方㍍。
取得予算は八億九千万円。事務費や利息などを含めた約九億千万円を、本年度と来年度の債務負担行為として確保した。用地買収は本年度、県土地開発公社に委託し、来年度一般会計に予算計上して同公社に支払う。
県特定ダム対策課などによると、国は水没住民の移転代替地として約五十三㌶を整備する計画。本年度予算に用地費を盛り込んだが、要望額を確保できなかったため、県に用地取得の支援を要請した。
代替地整備が遅れると生活再建にも波及し、水没住民にしわ寄せが生じることから、県は国の要請を受け入れて用地先行取得に乗り出す。取得した用地は来年度、国が買い取る予定。
同課は「代替地の確保は国の責任で行われるべきだが、住民の生活再建を支援する観点から協力することにした」と話している。
代行取得する代替地の場所などは今後、国と県で具体的に詰めるという。