「水没予定地の遺跡で、平安時代の板敷き発見」(朝日新聞)

 八ッ場ダムの水没予定地には、縄文時代以来の遺跡が多数発見され、現在、ダム建設に伴って、群馬県が遺跡調査を行っています。貴重な出土品は、現地の埋蔵文化財展示室で見ることができます。(問い合わせ:TEL0279-83-1240)

2006年02月24日朝日新聞群馬版より転載
「横壁中村遺跡 板敷き6枚発見」

 長野原町の八ツ場ダム建設工事に伴って発掘調査が進められている横壁中村遺跡で、平安時代の竪穴住居で使われていた板敷きが見つかった、と県埋蔵文化財調査事業団が23日、発表した。平安時代の板敷きそのものが出土したのは、国内では東北で4例あるが、県内では初めて。当時の民家の床構造と生活の様子を知るうえで貴重な発見になったと説明している。

 見つかった板敷きは計6枚で、幅20~25センチ、長さ2・5メートル以上あり、厚さは1・5センチから最大で4センチあった。竪穴住居の床部分を50~60センチ掘り込んで設置していた。

 9世紀半ばの竪穴住居のうちの1軒からで、建物内部の上下2層に堆積(たいせき)した土層のうち、下層に敷き並べられていた。何らかの原因で建物そのものが火災に遭い、板は炭化状態で残っていた。

 事業団によると、これらの板敷きは、土の床「土間」とは区別された「ベッド状遺構」と呼ばれるもので、「座間」もしくは「寝間」としての生活空間を作るために設置したらしい。住居内で板敷き以外の土間は、炊事場や作業場として、固く踏み固められていた。

 民家に、土間と板の間が設けられたのは中世からで、古代以前の竪穴住居の内部にはない。今回の発見は、いつごろから設けられたのかを解く手がかりとなるという。

 竪穴住居から板敷きが見つかったケースは、これまで盛岡市の百目鬼遺跡など3遺跡、4例しかないという。