2007年2月23日 東京新聞より転載
国土交通省直轄で建設が進められている八ッ場(やんば)ダムの二〇一〇年度完成予定について、川西寛・県土整備担当理事は二十二日の二月定例県議会の一般質問で、「現地の状況をみると、かなり厳しい」との見通しを示した。
県によると、ダム建設に絡む用地買収の進ちょく状況は約62%(先月末現在)。長野原町で四百五十五ヘクタール中、二百八十三ヘクタール、東吾妻町で十五ヘクタール中、十ヘクタールを取得。水没地域の家屋保証済み移転は二百三十二戸で、うち町内に四十四戸、町外へ百八十八戸が移転した。
国の昨年度調査では、水没地区に居住・営業している三百四十一世帯のうち、百七十二世帯(約37%)が現地で生活再建を希望。代替え地の予定面積は三四・二ヘクタールで、県は四・二ヘクタールを一期分として六月から分譲を開始するとした。
国や県、長野原町は昨年七月末、生活再建にかかわる事業見直し案を水没五地区の連合対策委員会に提示し、協議を重ねている。川西理事は「(計画に)遅れがないよう見直し案を取りまとめたい」と述べた。 (石屋法道)