2008年2月28日 東京新聞より転載
都議会第一回定例会の一般質問が二十七日行われ、十二人の議員が都政や地域の課題について質問した。このうち、都の負担金などで国が建設中の八ッ場(やんば)ダム(群馬県)について花輪智史氏(民主)が、計画の前提となる都の水道需要予測を「過大見積もり」と批判、見直しを求めた。答弁で東岡創示水道局長は見直しの必要性を明確に否定したが、猪瀬直樹副知事は「公共事業を再評価していくことは大事」と答え、食い違いを見せた。
花輪氏は、都の水道需要について「一九七八年の一日最大排出量六百四十五万トンをピークに減少し、昨年は五百五万トンまで落ち込んだ」と指摘。二〇一三年に六百万トンとする需要予測を「使われた指標が古い。最新データに基づいた予測を行うべきだ」と主張した。
国の公共事業改革に取り組んできた立場から答弁を求められた猪瀬副知事は、「(事業の)再評価を、常に正確なデータに基づいてやることが国益」と述べ、見直しの必要性に含みを持たせた。続いて答弁した東岡局長は「予測を見直す必要はないと判断している」と言下に否定した。
江東区の豊洲新市場の開業スケジュールについて比留間英人中央卸売市場長は「土壌汚染対策について都民に理解が得られるように努め、二〇一三年三月に開業したい」と述べ、「二〇一二年度中」としていた当初の目標に間に合わせる考えを示した。立石晴康氏(自民)の質問に答えた。
大震災発生時に必要となる警察や消防、自衛隊などの活動拠点として、区部に二十一カ所ある清掃工場を都が活用できるよう区側と協議を進めていると、村上英子氏(自民)の質問に押元洋総務局長が明らかにした。
これは「大規模救出救助活動拠点」と呼ばれ、八つの都立公園や東京ビッグサイト(江東区)など計十一カ所あるが、その多くは区部東部に集中。木造密集地帯が多い西部などの拠点確保が課題になっていた。
このほか山加朱美(自民)、増子博樹(民主)、橘正剛(公明)、熊木美奈子(民主)、田副民夫(共産)、鈴木晶雅(自民)、門脇文良(民主)、高倉良生(公明)、来代勝彦(自民)の各氏が質問に立った