2008年3月6日
~毎日新聞群馬版より転載~
「八ッ場ダム建設:県議会総務委、初の集中審議 工期延長の計画変更に同意◇見直し求める声相次ぐ」
県議会総務常任委員会(久保田順一郎委員長)は5日、国土交通省が工期を5年延長した八ッ場ダム(長野原町)に関して集中審議を行った。計画浮上から半世紀、県議会での同ダムに関する集中審議は初。計画変更に同意することを賛成多数で決議したが、委員からは見直しを求める声が相次いだ。
審議では、大沢幸一氏(フォーラム群馬)や岩上憲司氏(スクラム群馬)らが「また延期するのではないか」「地元住民の生活再建に支障は出ないか」などと指摘。石川貴夫氏(民主党改革クラブ)は「破綻(はたん)した公共事業の典型例」などとし、同意に反対したが、採決では4対3で賛成が上回った。
基本計画は同省が昨年、代替地の縮小や工事の騒音対策を理由に15年度完成に延長したのを受け変更。地質調査を経て、ダムの高さを15メートル上げ、コンクリートを70万立方メートル減少させ、総事業費は4600億円のまま据え置いた。この点を委員外の関口茂樹氏(スクラム群馬)は「安全性に極めて問題がある」と指摘した。
同ダムについては、これまで集中審議などはなかったが、先月、超党派の会が結成され、一般質問でも2氏が取り上げるなど議論の機運が高まっている。【伊澤拓也】
~朝日新聞群馬版より転載~
「計画変更議案を賛成多数で可決 八ッ場ダムで県議会委」
県議会総務常任委員会は5日、大沢正明知事が提出した「八ッ場ダムの建設に関する国の基本計画の変更に同意する」という議案について集中審議し、4対3の賛成多数で可決した。7日の本会議で採決する。
計画の主な変更内容は、①工期の5年延長②発電事業への県の参画③ダムの高さを131㍍から116㍍に下げるーというもの。議案には「生活再建対策については地元の意向を尊重し、万全の対策を図る」「ダムの完成は極力早期にする」という意見を付ける。
集中審議では、「国が安全性の根拠とするデータを示してほしい」「工期延長で事業費は変わらないとしているが、疑問だ」などの意見が出た。川滝弘之・県土整備部長は「詳しいデータを公表してほしいという要望は国に伝える」と約束した。