凍結・中止を公約に 鳩山民主党幹事長八ッ場視察

●2008年08月19日 読売新聞群馬版より転載
「八ッ場ダム予定地 民主党幹事長ら視察 中止・凍結 公約に 民主党・鳩山氏 早期完成の要望書 地元首長」

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は18日、同党の国会議員約15人と長野原町の八ッ場ダム建設予定地などを視察した。鳩山氏は視察後の記者会見で、2005年の衆院選に続き、次の衆院選でも政権公約に同ダム建設計画の「中止」または「凍結」を盛り込む考えを表明した。一方、会見に先立って、鳩山氏と意見交換した長野原、東吾妻の両町長は計画を支持する立場から同党の方針に反対を表明、早期完成を求める要望書を提出した。
 記者会見は八ッ場ダム広報センター「やんば館」で開かれ、鳩山氏は「福田首相のおひざ元で無駄な事業が行われているのは看過できない。我々は(計画を中止させたうえで)住民の生活再建のための立法化を目指す」などと述べた。
 鳩山氏は視察前、長野原町の川原湯温泉「やまきぼし旅館」で、同旅館を経営する樋田省三さん(43)ら住民2人と、同町の高山欣也町長、東吾妻町の茂木伸一町長ら計5人と意見交換に臨み、ダム建設計画に反対する意向を伝えた。
 これに対し、樋田さんら住民は直接賛否を示さなかったが、「私たち住民は政治に振り回され、疑心暗鬼になっている。とにかく安心して暮らせる場所と生活をできるだけ早く整えていただきたい」と訴えた。
 鳩山氏は「生活再建の重要性は十分認識している。陳情を深く受けとめ、対策を考えていきたい」と応じていた。
 樋田さんは終了後、記者団に「建設計画の推進か中止かは、今さら問題ではない。生活再建を支援してくれるなら、いつまでに、どのように支援するのか具体的に説明してほしい」と語った。
 鳩山氏の視察は約1時間半。国土交通省八ッ場ダム工事事務所の職員の説明を聞きながら、「費用対効果が疑問だ」「堤防で代用できないのか」などと質問していた。

●2008年8月19日 上毛新聞一面トップ
「八ッ場ダム建設 「凍結・中止を公約に」 次期衆院選 民主幹事長 生活再建は法整備で」

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は十八日、長野原町の八ッ場ダム建設現場を視察、水没地区の住民らとの懇談で、同ダム建設の凍結・中止と、住民の生活再建支援策を次期衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込む考えを明らかにした。建設を中止した際に生活再建事業を進めるための法整備を検討していることや、近く召集される臨時国会で同ダムの必要性を議論する方針も示した。同ダム建設の是非が衆院選の争点として浮上しそうだ。

 鳩山幹事長は視察後の記者会見で、八ッ場ダムの建設目的となっている治・利水、発電について「いずれも必然性がないと感じた」とした上で、「国民の税金を使っている無駄な公共事業を中止させなければならない。凍結・中止という方向を(マニフェスト)に盛り込むべきだ」と述べた。
 同時に「住民の皆さんにこれ以上迷惑が掛からないようにすることが必要。その手当てを最優先したい」と表明。ダム建設を中止した場合、付け替え道路などダム事業に伴うインフラ整備や、水源地域対策特別措置法に基づく地域振興事業は法的な根拠を失うが、中止後も生活再建事業を進めるため、党内で新たな法整備の検討を始めたことを明らかにした。
 民主党は二〇〇五年の衆院選で、徳島県の吉野川可動堰建設を含め、国直轄事業の五割、一兆三千億円を削減する目標をマニフェストに掲げた。八ッ場ダムは必要性や現地の状況を調査した上で中止し、「真に地域振興となる事業に切り替える」としていたが、昨年の参院選のマニフェストでは八ッ場ダムに触れなかった。
 八ッ場ダム建設について、地元は推進の意向を示している。住民との懇談では、長野原町の高山欣也町長と東吾妻町の茂木伸一町長がダムの早期建設を求める要望書を鳩山幹事長に提出。また、川原湯温泉の旅館経営者が「ダムを止めることが大前提で、その後に住民を救うという考え方ではなく、まず住民を救う立場に立って考えてほしい」と要望した。
 八ッ場ダム水没関五地区連合対策委員会の萩原昭朗委員長は上毛新聞社の取材に対し「やっと生活再建事業が始まってきたのに、これ以上苦しめないでほしい。早くダムが完成し安心して暮したい」と語った。