2008年9月26日 東京新聞群馬版より転載
『建設推進』重ねて強調 八ッ場ダム 県議会一般質問で大沢知事
国が長野原町で建設を進めている八ッ場ダムについて、大沢正明知事は二十五日の県議会一般質問で、関口茂樹氏(リベラル群馬)の「下流域の『不要論』は根強い」とする指摘に激しく反論。熊本県の蒲島郁夫知事が建設反対を表明した川辺川ダムとの環境の違いを挙げ、「首都圏の治水・利水に大きく貢献するとの考えはまったく変わらない」として、建設推進の姿勢を重ねて強調した。 (中根政人)
大沢知事は、川辺川ダムについて「流域の自治体には反対意見もあり、建設に関する十分な合意形成がされていない」と指摘。治水効果が熊本県内のみに限定されることも合わせて、建設反対の意見が妥当性を持つことに一定の理解を示した。
一方、八ッ場ダムについては「水没地区の住民も含め、地元や下流域の自治体などが建設に同意している。ダム建設による治水・利水効果も県内に限らず、利根川水系全体に波及する」として、早期完成が不可欠との認識をあらためて示した。
八ッ場ダム建設計画では、国土交通省が二〇〇九年度予算の概算要求で同年度から本体工事を開始することを明記し、完成予定を一五年度に定めた。一方、ダム計画の見直しを求める市民団体などは「首都圏では新たな水源確保は不要」などとして、ダム建設に疑問を投げかけている。