今朝の上毛新聞に、「衆院(群馬)5区・自民党 小渕優子氏 「八ッ場」進展に「協力」 というタイトルの記事が掲載されていました。「本県関係国会議員に聞くー2009国政展望」シリーズの連載三日目です。八ッ場ダムに言及している部分を転載します。
2009年1月5日 上毛新聞二面より一部転載
ー八ッ場ダム問題が衆院選の争点になる。
不安を感じている住民もいるだろうが、完全に軌道に乗った事業。近隣都県も必要性を認めており、順調にいくよう協力したい。
地元問題では建設促進期成同盟会の会長を務める上信自動車道の整備を働き掛ける。観光、産業への効果も見込まれるが、その前に病院や学校に通う命綱になる。まさに必要な道路だ。
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記事中の上信自動車道は、八ッ場ダムで水没する予定の国道145号の付け替えとして建設中の地域高規格道路を指します。八ッ場ダムを推進する地元県議らが県議会で訴えているように、地元群馬にとって、ダム建設の見返りがこの上信自動車道建設ということになっています。
けれども、平成8年に始まった付け替え国道の建設は、13年目の今も、暫定二車線でさえ進捗率が6割以下(「進捗率」は完成済みという意味ではなく、「完成済み」と「着工済み」を合わせた数字)。すでに着工済みの区間(川原畑地区)では、法面が複数箇所で崩れ、1年後の今冬になってようやく大規模な地すべり対策工事が行われるなど、工事の難航が予想される地質の脆い区間が残されています。
平成22年度完成の予定は大幅に遅れるとされ、仮に二車線の付け替え国道が完成したとしても、現国道以上に災害に悩まされる可能性があります。
国、群馬県は当初、四車線化を推進するとしていましたが、昨年の内閣答弁では、暫定二車線を供用開始後、交通量をみて四車線化を検討すると方針転換。実質的に四車線化の可能性はなくなりました。
上流の長野原町、草津町、嬬恋村、六合村の人々は、ダムが止まれば現国道と付け替え国道二車線を利用することが可能ですが、ダムができれば、付け替え国道のみを命綱にしなければならなくなります。
水没予定地では代替地をあきらめ、恨みを残して転出する人があとをたちません。年末も川原湯では家屋の解体がありました。
上毛新聞の今朝のコラムには、
ー「政局より政策」はもう聞きあきた。実行されない政策は「声策」だ。ー
という一文がありました。