2009年1月15日 上毛新聞社会面より転載
八ッ場ダム建設に伴う東吾妻町松谷の松谷第二トンネル工事現場で二〇〇七年十二月、落盤により作業員一人が死亡した事故で、県警捜査一課と吾妻署は十四日、安全管理が不十分だったとして、業務上過失致死の疑いで、工事の総括責任者だった男性(49)と現場指揮者だった男性(34)=ともに山梨県大月市=を前橋地検に書類送検した。
調べによると、二人は落盤の危険があると予測できたのに十分な監視態勢を確立せずに作業を続けさせた結果、〇七年十二月十八日午前十時ごろに発生した岩盤の崩落により、トンネル内で発破の準備をしていた神戸市東灘区、作業員、浦清水さん=当時(54)=を死亡させた疑い。
これまでの調べに対し、二人は容疑を認め、「大丈夫だと安易に考えていた」という趣旨の説明をしているという。
同トンネルは八ッ場ダム建設に伴う国道145号の付け替え道路の一部で、〇九年度末の供用開始に向けて準備中。浦さんは六人でトンネルの西端から約五百五十㍍の地点で作業中、重さ約六百㌔とみられる岩石が頭や胸に直撃して死亡した。