2月24日、関東地方整備局の公共事業評価監視委員会で、八ッ場ダム事業の評価が行われ、改めて継続が妥当という結論が下されました。
八ッ場ダム事業については、2007年12月21日にも同様の委員会で評価が行われています。通常は5年おきの再評価なのですが、八ッ場ダム事業は昨年度は基本計画の変更(工期延長)があるということで、今回は来年度に本体工事に着工するという理由で再評価が行われました。
前回の再評価に関しては、費用便益計算のデタラメさが昨年の国会でも取り上げられています。
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https://yamba-net.org/wp/modules/news/article.php?storyid=579
前回の再評価では便益/費用が2.9とされ、便益が過大だと槍玉に挙げられましたが、今回計算をやり直した結果、便益/費用は3.4と、さらに大きくなりました。
便益/費用の計算手順の概略は以下に掲載されています。↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/office2/jigyohyoka/pdf/h20/03siryo/siryo1-2.pdf
前回の便益/費用の計算手順の概略はこちらです。↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/office2/jigyohyoka/pdf/h19/03siryo/siryo1-2.pdf
便益/費用の計算手順を見ると、現実離れした計算をしていることがわかります。他の公共事業においてもしばしば見られるように、「有識者」による委員会は、公共事業にお墨付きを与えるだけの存在になってしまっています。
2009年2月25日 上毛新聞より転載
八ツ場ダム建設は「継続が妥当」、事業評価監視委員会評価
国土交通省関東地方整備局は二十四日、事業評価を外部有識者が検証する「事業評価監視委員会」(委員長・森地茂政策研究大学院大学教授)に、八ツ場ダム(長野原町)建設は「継続が妥当」との評価結果を示した。同委員会はこれを承認した。
同省は事業評価を計画の節目ごとに実施。今回は新年度予算に同ダムの本体関連工事費を盛り込んだため行った。
継続が妥当とした理由として、同省はダムの洪水調節の機能に加え①すでにダム完成を前提にした暫定取水を行っている②流量の確保で吾妻峡の景観が改善するなどを挙げ、「事業の必要性は変わっていない」と結論づけた。
八ツ場ダム建設に対する同省の再評価は工期の五年延長を決めた二〇〇七年十二月以来。委員からは、水道事業者などに任せている利水に対する評価を、同省が行う必要性を指摘する意見が出た。
本県など六都県を相手に八ツ場ダムへの公金支出差し止め訴訟を起こしている住民グループの代表組織「八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会」の島津暉之代表は「本体工事を何としても進めたいという国交省の意思の表れ。私たちはこれまで通り建設中止に向けた運動を広げ、各政党にも働き掛けていきたい」と話している。