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参議院予算委員会における八ッ場ダムに関する質疑

2009年3月11日、第171回国会参議院予算委員会において、大河原雅子参院議員(民主党)が八ッ場ダムに関する質問を行いました。参議院のホームページにアップされている議事録を転載します。

○大河原雅子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の大河原雅子でございます。
 予算委員会で初めて質問をさせていただきます。各大臣におかれましては、行政の各分野のトップとして、そして政治家として、国民に届く、心ある御答弁をお願い申し上げます。
 今日は無駄のない公共事業の見直しについてを中心に伺っていきたいと思っているんですが、冒頭、見過ごせない介護保険の認定基準の変更ということがございますので、舛添大臣にお尋ねをしたいと思います。 -中略ー
大臣は続いて衆議院の方においでになるので、もう一問だけ伺わせていただきたいと思います。
 厚生労働省の事業の中に水道関係の補助金を出しておられます。安全で良質な水の安定供給ということで今年度は七百十七億円、水道施設の整備ということで六百七十四億円付いていますが、どんな事業なんでしょうか。どんな補助金なんでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) これは、例えばダムなどの水道水源開発施設事業についてこの評価を加えた上で様々な補助を与える。それから、水道施設整備にかかわって、水道事業者において様々な効率的な作業をやるということで補助を与えるということが決まっております。
○大河原雅子君 予算の説明書には、すべての国民に安全で良質な水道水の安定的な供給を図るとともに災害対策を充実するなど水道ビジョンに基づく取組を推進するということで、今大臣は、ダムに関係をする利水者に対しての補助金だということをはっきりおっしゃっていただいたんですが、これとても大事なポイントなんですね。
 ダムに参加をする利水者に対する補助金ですが、今どのぐらいの利水者に、要するに水道事業者にこの補助金は分けられているんでしょうか。大臣じゃなくても結構ですよ。
○国務大臣(舛添要一君) 金額二百億円というのは分かりますけど、ちょっと事業者の数がすぐ出ませんので、分かり次第お伝えします。済みません。
○大河原雅子君 これはやはり利水者、水道事業者がダムに参加するときに、利水容量を決めるときの水需要の予測ですとか非常に大事なところにかかわる問題です。ですから、この補助金を出すときに、補助金を出し続けるかどうかという再評価ということもやっておられるんですが、その点について、じゃ参考人からお聞きしていいですか。
○委員長(溝手顕正君) 参考人呼んでいない。
○大河原雅子君 はい。
○国務大臣(舛添要一君) 申し訳ありません。
 これは学識経験者など第三者から意見聴取を経て再評価を実施する。委員が問題意識にお持ちのように、やっぱり社会経済情勢が変化したときにこのダム自身が必要なのかどうなのかという判断もしないといけないと思いますので、これは例えば国土交通省の管轄であっても、水の需要という観点から、私たちは、やっぱり社会情勢が変化しましたよと、それで、例えば水の需要が減っているならばダムは不要だということにもなるわけですから、私たちは、国民にあまねく水を供給するという水道事業という立場から見て、例えば国庫補助を継続した方がいいのかどうなのか、そういうことに対してきちんと判断し、有識者の検討会を設けて、必要な意見は今後とも申し上げ続けたいというふうに思っています。
 そして、足りなかった資料につきましては、また後刻お届けしたいと思います。大変申し訳ございません。
○大河原雅子君 今、再評価を随時しているということなんですけれども、私も東京の都議会議員をしておりました。この補助金について自治体での評価委員会の様子も知っておりますが、なかなか十分な実質的な調査というのは私はされていないというふうに思いますので、そのことはしっかりと今日お伝えしておきます。
 お忙しいと伺っておりますので、どうぞお移りいただきたいと思います。
 さて、今日の本題に入らせていただきたいんですが、昨年の八月に、総務省から公共事業需要予測に関する調査結果に基づく勧告が出されております。これは調査に基づく勧告、もちろん調査書があって、勧告があって、この二月にはその勧告に対してどう対応したかまで報告が行われております。
 鳩山総務大臣、これは何を目指しているものなのでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 昔の行政監察、今の行政評価というのは、行政の効率性に関しましてあるいは国民から不満が出るというようなケースもありましょうが、大変重要な仕事だと思っておりまして、昨年の八月四日に勧告をしたというのは、公共事業の需要予測に関する調査をいたしたわけでございまして、公共事業大体二十二種類のうち十五種類を取り上げて、五か所ずつですから七十五か所の調査をしました。これは、公共事業の重点的かつ効率的な実施の徹底、透明化を図る観点から需要予測の実施状況について調査をしたものでございまして、八月八日、今、大河原先生おっしゃった日付に、総務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省に勧告をしました。
 その内容は、公共事業の需要予測の実施に当たっては、人口が減少するとか超高齢社会がやってくるとか社会経済情勢の変化を十分考慮するとともに、ここからが大事だと思うんですが、数値の根拠や算出のプロセスを明確にして、利用可能な最新の数値等を使用すること。それから、需要予測の見直しを時機を失せずに実施されるよう時期を設定すること。つまり、長く掛かる公共事業であれば、例えば十年掛かるのであればなるべく早めに、需要予測変わりますから、なるべく時機を失しないで再調査しろと、こういうことでございます。それから、需要予測値と実績の値が乖離している場合には、どうしてずれてしまったかという原因分析をしなさいと。その原因分析ができたならば、その結果は似たような条件にある公共事業に活用しなさいと。需要予測に関する情報について適切な公開方法の検討。あるいは時々需要予測したのがなくなっちゃったというケースがあるんでしょうか、その需要予測をなるべく公開をするとか、あるいは需要予測したならば絶対取っておくと。時効はありませんからね、こういうものは。保存をしておくことというふうなことを勧告しているわけでございます。
 関係の役所等にそうしたことを勧告をしているわけでございますが、そのことでいわゆる公共事業の実施要領とか技術指針とかそうしたものを見直せということも言っているわけでございます。勧告から六か月後に回答をもらっています、各省庁から。ですから、今年の二月。で、二回目は来年の二月ということで回答を求めているところでございます。
○大河原雅子君 この調査は、公共事業を所管する総務、厚労、農水、経産、国交、環境、六省を対象に行われておりまして、今日は金子国土交通大臣においでいただいておりますけれども、公共事業の総本山ともいうべき国土交通大臣として、この調査と勧告をどういうふうにお受け止めになっているんでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 真摯に受け止めまして、きちんと対応させていただいておりますし、これからもきちんとやってまいりたいと思っております。
○大河原雅子君 公共事業を的確に実施するためには手順の一つ一つを着実に実施することはもちろん重要なんですけれども、その一つ一つのプロセスに、公共事業ですから国民の税金使って国民のためにやるということなんだから、もう本当に合意がなければ、納得がなければいけないと思うんです。そのためにも、今日は道路とダムを伺いたいと思うんですが、ちょっと時間がどうなるか分かりませんが、まず道路の方から伺っていきたいと思います。ー中略ー
 時間が少なくなってまいりましたが、次、ダム。金子大臣、ダムの問題は去年から随分とこの八ツ場ダムも含めて問題になっておりますし、自治体の首長が利水から撤退をすると、ダム計画から撤退すると言っております。
 タスクフォースの設置というのをなさっておりますけれども、何でしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 川辺川ダム、大戸川ダム、地元知事さんたちがこの事業の中断を求めるというのが続いております。そういう事態に、そもそもなぜそういう状態が起こっていくのかと。ダムというのは当然、造り始めてから、地元をスタートしてから事業化するまで非常に時間の掛かる話でありますし、川辺川ダムのようにダムを造らないで今度は洪水守る、つまり治水というふうに今度切り替えるかどうかというような手続についても、今のところ造るのか造らないのかだけが争点になってしまっている。
 やっぱりこれだけ川辺川あるいは大戸川について事象が出てきますと、河川法上あるいは手続上あるいは資金繰り上、その他いろいろな面で、どういうところに問題があるのかということについて有識者の皆様方の御意見を承っていこうということで、タスクフォースをつくらせていただいたところであります。
○大河原雅子君 四回しか開かれない会議と聞いておりますけれども、目的は何ですか、いま一つはっきりしませんが。
○国務大臣(金子一義君) 今申し上げたとおりでございまして、ダムについて、手続、主に事業手続になりますけれども、は見直すべきところは見直したいということであります。回数を四回という限定したつもりはありません。
○大河原雅子君 長く時間が掛かるダム事業ですので、要所要所で再チェックをするということが大事です。
 八ツ場ダムのBバイCですが、去年の六月に民主党の富岡議員が取り上げまして、十九年の評価、それから二十年の評価、そしてつい最近、二月の二十四日にも再評価が行われて、変わっております。
 BバイCの変化を御説明ください。どのような理由で変わったのでしょうか。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。
 八ツ場ダム建設事業のBバイCの変遷でございますけれども、八ツ場ダムのBといたしまして、洪水調節にかかわる便益、それから流水の正常な機能の維持のための便益ということで便益を算出しております。
 八ツ場ダムの再評価でございますけれども、これまで平成十年十二月、平成十五年十二月及び平成二十年三月と、おおむね五年ごとに実施してきておりまして、また今回、八ツ場ダムのダム本体工事にかかわるということで、平成二十一年度に更に再評価をやっております。
 その間のBバイCの変化でございますが、平成十年十二月時点では一一・七、平成十五年十二月では三・七、平成二十年三月では二・九、今回行いました平成二十一年では三・四となっております。
○大河原雅子君 去年、二・九のBバイCもすごくおかしいということが分かったんですよ。あの場所に七百三十万人の観光客が訪れるというようなことまで入っていて、それでおかしいおかしいって富岡さん追及をしたら、今度三・四に上がっているんですよ。ダムの規模、事業計画自体、ダム自体も縮小されているのに何でこんな数字が出るのか分かりません。
 この便益調査の計算書といいますか資料をすべて委員会に御提出いただくように、委員長、要求をさせていただきます。
 そして、ここまで来ましたので、総務大臣と財務大臣、公共事業の見直しについて、予算それから事業の評価、そういうことからも御感想があろうかと思います。お二人に是非御感想をお聞かせいただくようお願いします。
○委員長(溝手顕正君) まず、資料請求ですが、後刻理事会で話をさせていただきます。
○国務大臣(与謝野馨君) 必要な公共事業はやらなければならないと思っております。これは、国民生活の利便性を向上するもの、あるいは国全体としての社会の生産性を向上させるための公共事業はこれからもやらなければならないと思っております。
 ただ、道路の特定財源という考え方から離脱しましたように、やはりお金が入ってくるから道路を造ると、そういう思想は捨てなければなりません。何が必要かということが合意されるということが大事であると思っております。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は、どちらかというと緑のダム派の方なものですから、今のBバイCって大体どうやって計算するのかと、これは道路のときも同じなので、この委員会、予算委員会、ずっとしりが痛くなるまで座っておりますとBバイCの話はもう昨年からさんざん聞かされておりますが、どういうふうに計算するのが正しいのかという、私は専門家でないから分からない。
 せめて、先ほど行政評価でいたしましたように、これは、頻繁に需要予測はすること、それからどういう数値を使って需要予測をしたかということを透明性を持たせる、これはとても大事だなというふうに改めて思った次第でございます。
○大河原雅子君 十二日に千葉の県知事選挙が告示となりますけれども、この五人の候補者の方々はすべて八ツ場ダムに関しては、見直しやら再評価やら効果が少ないやらとおっしゃっております。必ずこの事業の評価というのは、着実に合意、共感をもってされなければならないと思います。
 ダムにとどまらず、スーパー堤防についても、今後、私、取り組ませていただきます。
 ありがとうございました。