2009年7月22日 上毛新聞社会面より転載
国が長野原町で進めている八ッ場ダム建設事業に反対する市民グループ「八ッ場あしたの会」主催のシンポジウムが20日、前橋市の県社会福祉総合センターで開かれ、約300人がダムの必要性や地元の生活再建などについて考えた。
国土交通省の職員としてダム事業などに携わってきた元同省防災課長の宮本博司さんが基調講演し、ダムや堤防などで洪水を河川に集中させて防ぐ現在の治水手法を「堤防決壊などの際に大被害が出る間違えた方法」と批判。河川敷に公園や調整池などを設けて洪水エネルギーを分散させる手法への転換を訴えた。
続いて歌手の加藤登紀子さんや宮本さんがパネルディスカッションをした。次期衆院選の結果次第では同事業中止の可能性もある中、半世紀を超える同事業の歴史や現在の進ちょく状況、中止後の地元の生活再建と地域振興などについて意見を交わした。