八ッ場ダム予定地住民にアンケート(朝日新聞)

 朝日新聞が八ッ場ダムの水没予定地住民にアンケート調査を実施した結果が紙面に掲載されました。国土交通大臣の八ッ場ダム中止表明後、初の調査となるこのアンケート結果が今後どのように推移してゆくか、新政権による政策が影響することは間違いありません。

2009年10月12日 朝日新聞社会面より転載
ー八ツ場ダム「中止に反対」7割 予定地住民アンケートー

 八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)を巡り、朝日新聞社は、同町の水没予定5地区の住民にアンケートを実施し、215人から回答を得た。建設中止に「反対」が7割弱に上った。地元住民の代表は前原国交相との意見交換会への出席を拒否したが、アンケートでは4割が「会って話をしたい」と回答した。

 アンケートは今月5~10日、移転対象の9割が集中する長野原町の5地区(川原湯、川原畑、横壁、林、長野原=約500世帯、約1400人)で実施。記者が訪問して面談する形式で185世帯の215人から回答を得た。

 ダム建設中止への賛否では、「反対」は7割弱、「どちらでもない」が2割強、「賛成」は1割弱だった。

 「反対」の理由(自由回答)で目立つのは「ここまで来て中止では、自分たちの苦労が報われない」「ダムが完成しないと生活設計が狂う」など。「どちらでもない」では、「生活再建さえしてくれるなら、ダム自体はどちらでもいい」という意見が多かった。賛成の理由は「故郷の姿が守られる」などだった。

 5地区の住民代表は、地元の意見を聞く前に前原国交相が中止を表明したことに反発し、先月の意見交換会への参加を拒否した。しかし、「会って話をしたいか」との問いには「話したくない」が5割、「話したい」が4割弱とほぼ二分された。「中止ありきでは会っても仕方がない」「生活再建策を持ってくるべきだった」という批判の一方で、「住民の思いを伝えたい」「生活再建策の内容を聞くため、話し合いの場は持つべきだ」とする意見があがった。

 賛否にかかわらず国への要望を尋ねたところ、「生活再建・地域振興」を重視した人が約4割いた。前原国交相はダム建設を中止する場合、生活再建への補償を明確にする新法を制定し、道路や代替居住地の整備を継続する方針を示している。しかし、現時点では具体策は明らかになっておらず、住民の理解も得られていないようだ。

 〈水没予定地〉 ダム建設で転居を求められた470世帯のうち、9割が長野原町の5地区に集中する。5地区の住民は1400人で30年前から半減。とりわけ、ダム予定地のすぐ上流で、全戸が水没予定の川原湯、川原畑の2地区は280世帯が70世帯に激減した。町内の代替地整備を待っている住民も多く、5地区で約100世帯がまだ移転していない。今回のアンケートでは、移転の済んでいない世帯を中心に回答を得た。川原湯、川原畑ではダム完成を望む声が多かったが、水没世帯が少ないほかの3地区では道路整備や雇用の確保を求める意見が多かった。

 水没予定五地区各地区の状況については、朝日新聞のサイトに解説が掲載されています。↓
http://mytown.asahi.com/gunma/newslist.php?d_id=1000061