役割が入れ替わった与野党の国会論戦は、年明けの通常国会から本格化すると見られますが、臨時国会を前に、早くも民主党の衆議院国土交通委員長が八ッ場ダム予定地を視察しました。
◆2009年10月22日 毎日新聞群馬版より転載
ー八ッ場ダム建設:視察の衆院国交委員長、「新しいステージ」期待ー
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20091022ddlk10010168000c.html
「とにかく顔を合わせることが、新しいステージを作り出す」。衆院国土交通委員会の川内博史委員長(民主)は21日、鳩山内閣が建設中止を表明した八ッ場ダム(長野原町)の建設予定地を訪れ、地元の高山欣也・長野原町長、茂木伸一・東吾妻町長とそれぞれ会談し、両町長を参考人として同委員会に招致する考えを示した。【奥山はるな】
川内氏はこの日、同委員会の石井章委員(民主)や角倉邦良県議(リベラル群馬)らと水没予定地区の代替地や川原湯温泉を視察。旅館や商店を訪れ、建設推進・中止双方の住民から「生活再建を急いでほしい」などの意見を聴いた後、両町長と会談した。
9月に前原誠司国交相がダム建設予定地を訪れた際、両町長は国交相との意見交換会に応じたが、住民代表は「ダム中止の御旗(みはた)を降ろしてきてください」と出席を拒否した。
今回、委員会への参考人招致を打診した川内氏に対し、両町長は「なぜ中止ありきなのか」などと、改めて国交相の姿勢を批判。高山町長は「私たちは大臣との協議を待っている。そのためには歩み寄ってほしい」と、中止方針の撤回が必要との考えをにじませた。一方で、茂木町長は「中止の撤回を求めたいので、呼ばれれば行く」と前向きな姿勢を示した。
会談後に記者会見した川内氏は「互いが互いを欲している」と、両町長の参考人招致実現に期待を示したうえで「関係6都県の知事の招致も考えている」と述べた。
一方、川内氏は八ッ場ダム工事事務所も訪問。渋谷慎一所長から「大臣の方針に基づき、住民にダムによらない治水への理解を求めている」と報告を受けた。これに対し、川内氏は「(八ッ場ダムの広報施設)やんば館の展示物がダムの完成を目指しているのは不整合」と指摘し、展示替えを求めた。
また「ダム関連工事の落札率の高さが問題になっている」などとして、過去5年間の落札資料と過去2年間の公用車の運行記録の開示を求めた。
◆2009年10月22日 東京新聞群馬版より転載
ー国会へ出席要請 衆院国土交通委員長 長野原、東吾妻両町長にー
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20091022/CK2009102202000117.html
衆院国土交通委員長の川内博史氏(民主)が二十一日、八ッ場ダム(長野原町)の建設予定地を視察した。二十六日に召集される臨時国会での論戦に備えるためで、同僚議員ら十人と現地を詳しく見て回った。
視察後、川内氏は長野原町の高山欣也町長と東吾妻町の茂木伸一町長を訪問。両町長に、ダム建設中止を表明した前原誠司国土交通相との話し合いと、国会に参考人として出席することを要請した。
両町長は「前原氏が建設中止を白紙撤回しない以上、会わない」と従来の方針を繰り返した。国会への参考人招致について、両町長とも川内氏との会談では明言を避けたが、記者団に高山町長は「考えるつもりもない」と述べ、茂木町長は「呼ばれれば行く。建設中止を取り下げてもらうため地元の考えを伝えたい」と語った。
川内氏は東吾妻町役場で記者会見し、衆院国交委を開く時期について来月第一週との見通しを示し、「関係六都県の知事からも参考人として意見を聞きたい」との考えを明らかにした。 (山岸隆)