八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ツ場ダム 自民国交部会が地元と意見交換会

 民主党の川内博司国土交通委員長の現地視察に続いて、今度は自民党国土交通部会長が現地入りしました。地元がダムを受け入れてから殆ど国会議員の訪問がなかった八ッ場ですが、政権交代を境に議員視察が急増しています。今後の国会論戦が注目されます。

■2009年11月10日 産経新聞サイトより転載
ー【八ツ場ダム】自民国交部会が地元と意見交換会ー
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/091110/env0911101329000-n1.htm

 建設中止が明言された八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)問題で、自民党国土交通部会長の三ツ矢憲生衆院議員と、ダム事業費を負担する1都5県から選出されている国会議員らが10日、現地を訪れ、地元関係者らと意見交換会を開いた。三ツ矢議員は「マニフェストに書いているから中止というのは非民主的なやり方」などと話し、国会で追及していく考えを示した。

 意見交換会は、長野原町のダム広報センター「やんば館」で行われ、地元住民ら約50人が出席。同町の高山欣也町長は、前原誠司国土交通相がダムの必要性を再検証する方針を示したことを「世論に押された再評価の感もある」と指摘。「国会で追及して頂けると、建設中止が中止に傾く可能性もある」と訴えた。

 また、川原湯温泉旅館組合の豊田明美組合長は「政府に生活再建などの要望書を出しても回答はなく、一方通行。うやむやに時間が過ぎると生活が立ちゆかなくなる」と支援を求めた。

 これに対し、国会議員らは「下流自治体にとっての必要性を訴えていく」などと話し、国会論戦の主議題として取り上げることを確約した。

 八ツ場ダム建設中止をめぐっては、前原国交相が10月27日に行われた関東地方知事会議後に、地元住民との意見交換会開催を県を通じて打診している。

 しかし、前原国交相が建設中止を前提とする姿勢を崩していないことから、東吾妻町の茂木伸一町長は意見交換会の席上、「中止撤回をしない状況で(意見交換会を開いても)地元住民の感情を逆なでするだけだ」と話すなど、拒否の意向を示した。

■2009年11月11日 読売新聞群馬版より転載
ー自民議員、住民と意見交換 八ッ場ダム「国会で中止方針追及」ー
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20091111-OYT8T00033.htm

 八ッ場ダム問題で、自民党国土交通部会長の三ツ矢憲生衆院議員は10日、長野原町で開かれた同党国会議員と地元住民の意見交換会で、「現地住民が一番迷惑を受けていることをしっかりと押さえて、国会論戦に対応する」と述べ、衆参両院の国土交通委員会で、前原国土交通相の中止方針を厳しく追及する方針を明らかにした。

水没予定地住民の移転代替地を視察する自民党国会議員 意見交換会には、同部会や関係県選出の8議員と地元関係者約30人が参加した。三ツ矢氏は、前原国交相が、八ッ場ダム事業の再検証を表明したことについて、「最近になって検証すると言っているが順序が逆」と批判した。

 これに対し、高山欣也・長野原町長は「大臣の検証について国会で検証してもらえば、中止の中止もあると思う」と述べたほか、地元関係者からは「(中止を公約するにあたって)民主党が、いつ、だれと、何を話したのか、ぜひ国会で聞いてほしい」など、野党による追及に期待する声が相次いだ。

 また、馬淵澄夫国交副大臣が5日の記者会見で、「生活再建支援のメニューは、国が提示するより、地域住民の意見を聞いて、調整を図った上での提示が望ましい」と述べたことについて、「ダム無しの案はあちらがたたき台を出してくるのが順序」(長野原町議)と批判する意見も出された。

■2009年11月11日 朝日新聞群馬版より転載
ー自民国会議員と町長ら意見交換ー
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000600911110001

 国直轄事業の八ツ場ダムの建設中止問題で、自民党の衆参両院の議員8人が10日、長野原町で、地元町長や町議らと意見交換会をした。自民党側は「国会論戦をしっかりやっていきたい」と話し、来週以降に予定されている衆参両院の国土交通委員会で、前原誠司国土交通相らを追及する意気込みを示した。

 長野原町の高山欣也町長は「前原国交相が治水・利水の必要性を再検証すると言い出したのは半歩前進だが、我々に必要なのは生活再建」と訴えた。東吾妻町の茂木伸一町長は「中止の損得や治水・利水の効果を明らかにしてほしい」と述べた。

 さらに地元側からは「前原国交相は何度も地元の声を聞いたと言うが、いつどこで誰と話したのか」「一方通行で対話がない」「中傷の電話やメールに悩まされている」といった声が上がった。

 自民党国土交通部会長の三ツ矢憲生衆院議員(三重5区)は「八ツ場ダムだけが公共事業見直しのスケープゴート(生けにえ)になっている」などと話した。

 意見交換会にはほかに、前国土交通副大臣で党政務調査会副会長の金子恭之衆院議員(熊本5区)、衆院国土交通委員会筆頭理事の岸田文雄衆院議員(広島1区)らも出席。ダム本体工事の予定地なども見て回った。