八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム工事現場で死亡事故

 八ッ場ダム事業のシンボルとしてテレビでたびたび取り上げられてきた十字架状の橋脚、湖面二号橋の工事現場で、痛ましい死亡事故が発生しました。
 湖面二号橋を含む県道林東吾妻線は、国道145号線の水没機能補償(*)として計画され、来年度から暫定供用を開始する予定ですが、湖面二号橋の上下の地上部は工事が大幅に遅れています。湖面二号橋の工期は2010年3月末となっています。
*国道145号の水没機能補償としては、他に付け替え国道が建設中です。

 事故当日は風が強く、警察では業務上過失致死の疑いもあるとして捜査を進めているということです。

●【湖面2号橋工事契約】
http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/kisya/h19/190725.pdf

●八ッ場ダム工事現場における前回の死亡事故に関する記事
https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=517
「八ッ場ダム関連工事の落盤死亡事故 責任者2人書類送検」
(上毛新聞社会面より転載、2009年1月15日)

●労働安全衛生規則
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S47/S47F04101000032.html

第五百二十二条  事業者は、高さが二メートル以上の箇所で作業を行なう場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。

◆2009年12月18日 読売新聞社会面より転載
ー八ッ場ダム関連工事、パイプが落下1人死亡ー
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091218-OYT1T00918.htm

 18日午前10時20分頃、群馬県長野原町林の八ッ場(やんば)ダム関連工事現場で、建設中の橋脚「湖面2号橋」(高さ約85メートル)からクレーンを使って地上に鉄製パイプ(直径5センチ、長さ1・3~1・9メートル)約20本を降ろす作業中、パイプが突然落下。地上で作業していた同県高崎市箕郷町西明屋の土木作業員丸山正喜さん(49)に直撃し、丸山さんは即死した。

 長野原署の発表によると、事故当時、橋脚上では約30人が作業し、地上では丸山さん含め2人が、束ねられたパイプをほどく作業をしていた。もう1人の作業員にけがはなかった。同署では何らかの原因でパイプを束ねていたワイヤがほどけて落下したとみて、詳しい事故原因を調べている。

 同橋は、将来のダム湖を横切る県道が通る予定で、4本の橋脚から徐々に橋を延ばしていく独特の工法で進められている。前原国土交通相のダム建設中止表明後、巨大な十字架が並んでいるような光景がメディアでたびたび取り上げられ、工事現場の象徴的な風景として有名になった。

◆2009年12月19日
ー落下事故:鉄パイプの下敷きに 湖面2号橋で撤去作業中の男性死亡 /群馬ー
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20091219ddlk10040115000c.html

 18日午前10時20分ごろ、長野原町林の八ッ場ダム関連「湖面2号橋」工事現場で、資材の撤去作業中だった高崎市箕郷町西明屋、土木作業員、丸山正喜さん(49)が、落下してきた鉄パイプ約20本の下敷きになり死亡した。長野原署は業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査する。

 同署などによると、丸山さんは工事下請けの桑名建設(福島県須賀川市)勤務。パイプは直径5センチ、長さ1・3~1・9メートル、重さ約5キロで、足場や手すりなどに使っていた。丸山さんは、地上約85メートルの橋脚からパイプをクレーンで下ろすため、地上で他の作業員と作業していた。パイプは鋼製ワイヤで縛られていたが、何らかの原因で抜け落ちた。

 国土交通省八ッ場ダム工事事務所によると、ダム関連工事で作業員が死亡するのは07年12月以来で、交通事故も含めると3件目。【鳥井真平】