国会で八ッ場ダム集中審議

 2010年3月5日 

*下記で取り上げている国会審議の議事録は、こちらに転載しています。
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 https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=854

 3月3日、参議院の予算委員会で自民党の脇雅史議員が八ッ場ダム事業中止の法的手続きについて追及しています。脇議員は建設省関東地方建設局河川部長、河川局河川計画課長、 近畿地方建設局長を務めた、ダムに関する法律については国会議員の中で最も詳しい元建設技官です。国交大臣に各法律を読み上げさせ、攻撃する論理構成から、現在、国交省内部で民主党政務三役と官僚が対峙している状況がうかがえます。
脇議員の公式サイトには、質疑の内容が全文掲載されています。
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 http://www.waki-m.jp/diet/20100303.html

 参議院インターネット審議中継では録画が見られます。
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 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
「参議院インターネット審議中継」→「3月3日」→発言者「脇雅史(自由民主党・改革クラブ」をクリック

 前原大臣を批判している脇議員は、杜撰な八ッ場ダム計画の立案、政官業癒着のダム推進について、官僚の責任があるとは考えていないようです。先送りされてきた八ッ場ダム問題を解決するために、現役の官僚が力を発揮し、民主党政権とともに改革に取り組むことを多くの国民が望んでいるのではないでしょうか。
 
 衆議院国土交通委員会では、八ッ場ダムを主たるテーマとした集中審議が行われています。 さる2月24日には、自民党議員が欠席する中、民主党の中島正純議員、村井宗明議員が談合疑惑、天下り公益法人の問題が取り上げられました。 
 衆議院TVビデオライブラリで録画が見られます。 
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 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
 左段の「2010年2月」→「24日」の青字をクリック、
 青字の「国土交通委員会」をクリック、
 議員の青字をクリックすると、各議員による質疑が見られます。  

 本日、3月5日には、2月24日に政業癒着の事例として名前が挙げられた小渕優子議員と佐田玄一郎議員が自民党を代表して八ッ場ダム推進を主張しました。 
 小渕議員は、ダム推進の理由として地元住民を尊重する必要があると訴えていますが、政権交代の可能性が出てくるまで選挙期間中も水没予定地に足を運ばなかったことは、地元住民なら誰もが知っていることです。
 ダム計画推進にあたり、住民の合意を得るために丁寧な対応をしてきたと主張し、政権交代直後に八ッ場ダム中止方針を明らかにした前原大臣を批判していますが、八ッ場ダム計画は住民の合意が得られてから進められたわけではありません。現地事務所の設置、ダム事業のための調査は、地元の反対派住民が体を張って抵抗する中で進められました。当時、大臣が地元に足を運ぶことなど、考えられもしませんでした。政官による強引な手法が、長年の間に地元住民をあきらめの境地に至らせたのです。

 親族会社が八ッ場ダムの「生活再建関連事業」を受注している佐田玄一郎議員が八ッ場ダムの必要性を主張しても、国民に説得力がないのは言うまでもありません。ダム中止後の代替案もないと批判していますが、ダム事業による「生活再建」に問題があり、58年目にして「生活再建」が実現していないことの責任はどうなるのでしょう? 八ッ場ダムの「生活再建関連事業」がすべて実施されたからといって、住民の生活再建が実現することにはなりません。
 佐田議員は、八ッ場ダムが完成しなければ利根川水系の人々が治水においても利水においても大変なことになると主張していますが、治水、利水目的に科学的根拠が希薄であることが明らかになったとき、罪のない人々の命を奪ってきた八ッ場ダム計画を推進してきた政治家の責任が改めて問われることになります。

 当然のことながら、民主党議員からは自民党二議員の発言に問題があるのではないか、との意見が出されました。新聞報道は、熊田あつし議員が取り上げた八ッ場ダム上流のヒ素問題、小渕議員が取り上げた湖面1号橋問題などについての前原大臣の発言を取り上げています。

 3月5日の集中審議の録画も衆議院ビデオライブラリで見られます。
 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

  金子恭之(自由民主党・改革クラブ)  9時 17分  31分
 小渕優子(自由民主党・改革クラブ)  9時 48分  31分
 佐田玄一郎(自由民主党・改革クラブ)  10時 19分  31分
 塩川鉄也(日本共産党)  10時 50分  31分
 中島隆利(社会民主党・市民連合)  11時 21分  22分
 熊田篤嗣(民主党・無所属クラブ)  11時 43分  17分
 中島正純(民主党・無所属クラブ)  12時 00分  24分

◆2010年3月5日 毎日新聞より転載
八ッ場ダム:上流の堆積物に高濃度ヒ素 国交省、公表せず

 八ッ場(やんば)ダム建設予定地の上流にある品木ダム(群馬県六合村)の湖底の堆積(たいせき)物から昨年3月、農地土壌の環境基準の約350倍に相当するヒ素が検出されていたことが5日、衆院国土交通委員会で明らかになった。

 民主党の熊田篤嗣氏が国土交通省に資料請求し、堆積土1キロ当たりに30~5600ミリグラムのヒ素が含まれていると指摘。ヒ素の農地の環境基準は土壌1キロ当たり15ミリグラムだが、国交省は公表していなかった。

 熊田氏は「八ッ場ダム計画は(品木ダムなどに石灰を入れて水質を改善する)中和事業の結果、再開された。情報操作でダム建設へ議論を誘導したのでは。データを公表すべきだ」と追及し、前原誠司国交相は「ヒ素や沈殿物濃度の情報を公開していきたい」と述べた。

 一方、民主党の中島正純氏は、08年4月~今年1月に国交省が発注した八ッ場ダム関連工事のうち、1社を残して他の業者が入札を辞退したり、1社しか入札しないなどの「1社応札」が44件あったと指摘。平均落札率が96.11%と高値で落札されており「不自然」と述べた。前原国交相は「しっかり調べたい」と答弁した。【石原聖】

◆2010年3月6日 読売新聞群馬版より転載

 ー八ッ場ダム 1号橋意向調査近く公表  国交相再検証結論は長期化示唆ー
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100306-OYT8T00039.htm

 八ッ場ダム(長野原町)中止問題を巡り、前原国土交通相は5日の衆院国交委員会で、建設凍結を検討している湖面1号橋について地元住民に行った意向調査の結果を、近日中に公表する考えを明らかにした。

 国交省は先月、同町川原湯・川原畑両地区住民計約60世帯を対象に、代替地への移転を望むかどうかや、1号橋についての意見を問う調査票を配布。現在、回収と分析を進めている。前原国交相は「私の耳には1号橋は要らないとの声が届くが、少数かマジョリティー(多数)かを客観的に分析し、ほどなく公表したい」と述べ、調査結果を橋の建設を進めるか否かの判断材料にする考えを示した。

 さらに、前原国交相は、同ダムの必要性についての再検証結果を出す時期が、来年以降になる可能性を示唆した。有識者会議が夏にも策定する予定のダム計画見直しの判断基準を踏まえた上で、「水系ごとの個別のヒアリングもしないといけない。それなりに時間がかかる」と述べた。

 すでに国と流域自治体などが代替案を協議している川辺川ダムについては「今年には一定の方向性は出ると期待している」とし、その他のダムについての結論が長期化する可能性を示唆した。

◆2010年3月5日 東京新聞政治面より転載

 ー道路橋建設はアンケートで判断 八ツ場ダムで国交相ー
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010030501000338.html

 前原誠司国土交通相は5日の衆院国交委員会で、八ツ場ダム(群馬県)の水没予定地区から移転する人の代替居住地を結ぶ道路橋「湖面1号橋」の建設について「住民へのアンケートの結果を踏まえて、どのようにするか判断する」と述べた。

 前原氏は中止を表明したダム本体工事の建設に伴う水没を前提としたインフラ整備を見直すとして、1号橋の建設凍結を検討。これに対し群馬県や地元自治体は強く反発していた。

 このため国交省は、関係する約60世帯を対象に代替地に移転する意向があるかなどを確認する調査票を、2月26日締め切りで送付していた。

 前原氏は調査の理由を「代替地への移転後の生活に支障を与えるのは望ましくないとの観点から、移転の意向を持つ方がどの程度いるかを調べている」と説明した上で、結果がまとまり次第、公表する考えも示した。

 自民党の小渕優子前少子化担当相の質問に対する答弁。
(共同)