八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

県議会、八ッ場ダム対策特別委、最終日

 3月17日、群馬県議会に設置された八ッ場ダム対策特別委員会が開催されました。この日は2月議会における同委員会の最終日で、多くのテーマが取り上げられました。
 八ッ場ダム事業は、事業費負担、生活再建、ヒ素と多くの問題を抱えたまま、来年度も継続されます。国交省から群馬県に出向している県土整備部長が、「県として、今後も中止撤回と生活再建関連事業の推進を強く国に求めていく」とコメントしています。

◆2010年3月18日 読売新聞群馬版より転載
 ー八ッ場ダム 本体工事含む予算案可決ー
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100318-OYT8T00101.htm

県会特別委リベラル群馬は修正案
 県議会八ッ場ダム対策特別委員会は17日、新年度県一般会計当初予算案のうち、ダム本体工事負担金を計上した88億1720万円の同ダム関連予算案を、自民党などの賛成多数で可決した。19日の本会議で可決される運びだ。

 国が本体工事費の新年度予算案への計上を見送る中、本体工事費を含む予算を組んだことについて、川滝弘之県土整備部長は「これまで同様、すべての事業が実施されるようダム関連負担金や関連事業の必要額を計上した。県として、今後も中止撤回と生活再建関連事業の推進を強く国に求めていく」と説明した。

 これに対して、予算案に反対した民主党系県議などが所属する第2会派のリベラル群馬は同日、国が本体工事費を計上しないのに県が負担金を計上するのはおかしいとして、本体工事の負担金に相当するとされる1億3000万円を、ダム関係以外の道路関連費に替える修正案を提出した。

◆2010年3月18日 東京新聞群馬版より転載
ー八ッ場ダムの基金事業 施設整備で調整難航ー
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20100318/CK2010031802000099.html

 八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の生活再建事業で「利根川・荒川水源地域対策基金」を財源とする施設整備事業について、県は十七日に開かれた県議会八ッ場ダム対策特別委員会で「基金を支出する他の都県が、施設の維持管理費の負担に難色を示している」として、調整が難航していることを明らかにした。 (中根政人)

 利根川・荒川水源地域対策基金のうち、八ッ場ダム関連の生活再建事業には、群馬県のほか、首都圏の四都県(東京、埼玉、千葉、茨城)の支出金が使われている。

 県は社会情勢の変化を理由に、事業費を当初計画した二百四十九億円から三割減の百七十八億円とする案を二〇〇八年度に示した。だが、地元や他の都県との間で最終合意が得られず、正式な事業費は確定していない。

 事業内容については県が〇八年、「健康増進」を町づくりの柱に掲げた「ダイエットバレー構想」を盛り込んだ新たな案を示した。だが、構想の中核として長野原町川原湯地区の代替地に計画された健康施設「エクササイズセンター」は、集客力への疑問から建設が白紙となった。

 このほかの主要施設でも、同町林地区に計画された観光物産施設「道の駅」や同町の行政施設「住民総合センター」で、完成後の維持管理費の負担方法について結論が出ていない。

 県の川滝弘之県土整備部長は「国が八ッ場ダムの本体工事を凍結してから、各都県(の財源支出に対する態度)が厳しくなってきた」と現況を明かした。

 また、特別委は、ダム本体工事費を含む建設負担金など総額約九十六億円を計上した新年度の県の八ッ場ダム関連予算案を可決した。

◆2010年3月18日 朝日新聞群馬版より転載
ー上流のヒ素問題、県「危険と考えず」ー
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581003180001

 八ツ場ダム予定地の上流で環境基準を超える有害物質のヒ素が検出されている問題について、県環境保全課は17日の県議会八ツ場ダム対策特別委員会で「(ダムの上下流で行っている)県の水質測定では環境基準を超えたことはなく、危険だと考えていない」と述べた。ダムを建設した場合にヒ素がダム湖に沈殿し、夏の渇水時にヒ素濃度が高くなるとの指摘が衆院国土交通委員会で出ていることについては、同課は「(現状から考えて)あり得ない」とした。

 この日の特別委では、質問に立った委員10人中6人がヒ素問題に言及。大半の委員が水質の安全性を訴えた。

 県廃棄物政策課は「(上流の)湯川のヒ素濃度が高いと認識している」としつつも、湯川から流れ込む高濃度のヒ素が沈殿している品木ダムから浚渫(しゅん・せつ)している汚泥の処分場については「埋め立ての基準や排水基準はクリアしている」と説明した。

 ヒ素の毒性について、県衛生食品課は「70~200ミリグラムを摂取すると急性毒性があり、1リットルあたり3~6ミリグラムの長期摂取で慢性中毒になる」と紹介。一方、吾妻川水系の水が混じった飲料水を取水している千代田町の取水地点では1リットルあたり0・001~0・003ミリグラムで、浄水処理後は検出限界値以下になっていると述べた。

 特別委では、国が凍結しているダム本体の建設費負担金を計上した八ツ場ダム関連の新年度当初予算案が、第2会派で民主党系の「リベラル群馬」が反対したものの、自民党や別の民主党系会派「民主党改革クラブ」などの賛成多数で可決された。